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主催者と出展者による動画が充実 @SCビジネスフェア【オンライン展示会】
- 2021/3/13
- DX(デジタルトランスフォーメーション), SC BUSINESS FAIR, オンライン展示会, 流通・EC・店舗
会期:2021年2月9日(火)〜16日(火)
アーカイブ期間:2021年2月18日(木)〜28日(日)
主催:(一社)日本ショッピングセンター協会
プラットフォーム:日経イベント・プロ
出展者数:107社
ブースは無意味なビジュアルが大半を占める
ショッピングセンター業界の展示会「SCビジネスフェア」がオンラインで開催され、107社が出展した。動画はテナントが発信するコンテンツ、主催者と出展者によるセミナー形式の配信があり、出展ブースや自社サイトへ誘導する仕組みができていた。一方、カテゴリー、企業ブースの見た目や操作性は、再考の余地がある稚拙さだった。開催期間に記者がオンラインで参加し、展示ブース、セミナー、動画配信、機能、操作感などについてレポートする。
【この記事の内容】
1.トップページについて
広告のような見た目、モバイル端末には適さない
2.各カテゴリーについて
企業や商材の情報はなく、表示はロゴと企業名のみ
3.企業ブースについて
画面の大半を、無意味なビジュアルが占領
4.検索について
検索機能は使いづらく、結果表示も見づらい
5.動画について
主催者と出展者の動画を録画で再生
6.まとめ
企業ブースの画面構成は、再考の必要あり
1.トップページについて
広告のような見た目、モバイル端末には適さない
事前登録の上、参加する。トップページは、ショッピングセンターの広告のような見た目だ。タブレットやスマホには最適化されておらず、パソコンでの視聴が推奨されている。
クリックできる場所にカーソルを合わせると色が変化し、『DX・テクノロジー』『テナント』といった、カテゴリ名が表示される。中央の建物には、何も設定されていない。スクロールすると、来賓の挨拶動画へのリンクが3つと、サイトの使用方法が表示される。
2.各カテゴリーについて
企業や商材の情報はなく、表示はロゴと企業名のみ
カテゴリー内に入ると、『TOPページへ戻る』『出展企業採用ページはこちら』のバナーが上部に表示された。企業情報が見当たらなかったので、すでに公開終了後かと勘違いしたが、スクロールすると現れた。これらのバナーは、画面のメイン部分ではなく、企業情報の後か、画面の端に表示するべきだろう。
企業情報は、一番大きなバナーは1~2行の紹介文が記されていたが、基本的にはロゴと会社名のみ表示される。文字数は少なくてもいいので、どんな会社か、どんな商材を扱っているかを記載すると、分かりやすいのではないだろうか。
3.企業ブースについて
画面の大半を、無意味なビジュアルが占領
各カテゴリーで企業名をクリックすると、バーチャルブースが現れる。看板に企業名、サブ看板には説明文が表示される。通常の展示会では華やかなアパレルや、大手デベロッパーであっても、同じようなビジュアルで表現されていた。
パネルにカーソルを合わせても変化は起きず、画面の約8割を占めるバーチャルブースのどこにもリンクが設定されていない。右上部の矢印を押すと、右のメニューバーが消えて、クリックできないブースのみが大きく表示された。
パルコ(東京都渋谷区)やイオン(千葉市)は、独自のビジュアルを用意していたが、やはりクリック可能な場所はない。パルコは、画像上のQRコードをスマホで読み取ると、別サイトに移動する仕掛けを行っていた。
右側のメニューにある『出展者情報』と『コンテンツ』はほぼ同じ内容で、動画、資料の閲覧、企業情報をまとめた企業ページにリンクする。気になる企業情報を保存できる「お気に入り」の機能はない。
動画は別タブが開いて再生され、閉じるボタンを押すと自動的にタブが閉じる。再生画面の大きさも視聴しやすいサイズだ。資料のDLはできず、企業にメッセージを送り請求する。
販促ロボット、空床対策といった、面白い商材を扱う企業も見られた。リアル展示会では、回遊しているときに自然と来場者の目に入るが、「SCビジネスフェア」のこの構造では、偶然に参加者の目に止まることはないだろう。
4.検索について
検索機能は使いづらく、結果表示も見づらい
検索機能は非常に使いづらい。出展企業の検索は、企業ブース上で行う仕様になっていた。上部に検索機能が表示され、50音、出展カテゴリーなどで検索できるが、結果は小さい文字で企業名だけしか表示されないので、利用する機会はなかった。
5.動画について
主催者と出展者の動画を録画で再生
『注目のコンテンツ』と『セミナー』でゾーン分けされ、主催者や出展者の動画を視聴できる。
『注目のコンテンツ』では、アパレルや楽器店といったテナントが、現場の発信力をアピールする動画が提供される。出展ブースや自社サイトへリンクが設定されており、動線がスムーズだった。展示会プラットフォームの構造で埋もれてしまっていた、出展者ページへの入口としても機能している。
『セミナー』では、『主催者企画』と『出展者プレゼンテーション』の一覧が表示される。ライブ配信ではなく、録画された動画を再生していた。
『主催者企画』は、セミナーによってクオリティに大きな差があった。特に、若いリーダーのディスカッションは話す速度が心地よく、資料を活用して重要な言葉を文字で表示するといった工夫も見られた。動画は40分から1時間程度なので、冗長にしない工夫が必要だと感じる。
『出展者プレゼンテーション』では、各企業が用意した動画が再生される。出展者の情報は記載されておらず、関心を持った場合はプログラム画面に戻らなくてはならない。セミナーから出展者ブースへのスムーズな動線が欲しい。
6.まとめ
企業ブースの画面構成は、再考の必要あり
企業ブースは、画面の大半を無駄なビジュアルが占めている。出展者と来場者、双方にとって何のメリットもないので、画面構成を根本的に再考した方が良いだろう。出展者は大手SCから、独自性の高い商材を扱う支援企業まで、見どころを多く持っているだけに、もったいないと感じた。出展者が自社の魅力を伝えられるような、ビジュアルを提供できると良いのではないだろうか。
また、SC関係者が集まる商談展示会でありながら、採用ページへのリンクが目立つなど、ターゲットが今ひとつ分かりにくい展示会だと感じた。