行動制限はあれど、商業施設に長蛇の列 @マレーシア・クアラルンプール【4月5日/新型コロナウイルス 世界の反応・現地レポ】
- 2021/4/6
- マレーシア, 新型コロナウイルス世界の反応, 新型コロナウイルス関連記事
マレーシアは、ワクチン接種プログラムの第1段階の最中だ。4月17日からの第2段階では、小売や流通の関係者、60歳以上で生活習慣病などの疾患を持つ人ら、940万人が対象となる。接種が順調に進む一方、2つの課題が浮上した。
1つ目は、先住民族の接種が進まないことだ。例えば、クアラルンプール北部のペラ州には、伝統的な生活を営むオランアスリ族が住む。独自の言語を使用するため、政府のワクチン接種情報が行き届かなかったり、生活圏がジャングルであるためインターネット環境がなく、接種登録ができなかったりと課題が生じている。今後は政府の職員を派遣して手作業で登録を促し、集会で啓蒙活動をするという。
2つ目は、接種登録をアプリ経由で自ら行う人が少ないことだ。接種対象となる国民2670万人のうち、接種登録をしたのは760万人だった。周囲の反応は、「罰則がないなら様子を見て接種したい」という60代の女性や、「配偶者が医療従事者で接種した。問題がなさそうなので早めに接種したい」という30代の男性など、さまざまなな意見が出ている。
クアラルンプールでは14日まで、ソフトロックダウンである「条件付き行動制限例(CMCO)」が延長された。州を越える移動はできないが、経済活動の制限は緩和された。マスクの着用や検温、手の消毒、ソーシャルディスタンスの確保、入店人数の制限といった規則を守れば、商業施設の営業も可能だ。
3月にはディスカウントショップのドン・キホーテ(東京都目黒区)が、クアラルンプール中心部に初出店した。入店するまでに長蛇の列ができ、最高で2時間待ちとなった。国内では旅行や娯楽が制限される中、商業施設がその代替となっている。新しく開店した小売店や飲食店を中心に、多くの客が押し寄せており、平日であっても人々が列をつくる様子が見られる。