行動制限はあれど、商業施設に長蛇の列 @マレーシア・クアラルンプール【4月5日/新型コロナウイルス 世界の反応・現地レポ】

▲移動の制限などもあり商業施設の店舗における消費活動も人々の娯楽となっている

 マレーシアは、ワクチン接種プログラムの第1段階の最中だ。4月17日からの第2段階では、小売や流通の関係者、60歳以上で生活習慣病などの疾患を持つ人ら、940万人が対象となる。接種が順調に進む一方、2つの課題が浮上した。

 1つ目は、先住民族の接種が進まないことだ。例えば、クアラルンプール北部のペラ州には、伝統的な生活を営むオランアスリ族が住む。独自の言語を使用するため、政府のワクチン接種情報が行き届かなかったり、生活圏がジャングルであるためインターネット環境がなく、接種登録ができなかったりと課題が生じている。今後は政府の職員を派遣して手作業で登録を促し、集会で啓蒙活動をするという。

 2つ目は、接種登録をアプリ経由で自ら行う人が少ないことだ。接種対象となる国民2670万人のうち、接種登録をしたのは760万人だった。周囲の反応は、「罰則がないなら様子を見て接種したい」という60代の女性や、「配偶者が医療従事者で接種した。問題がなさそうなので早めに接種したい」という30代の男性など、さまざまなな意見が出ている。

 クアラルンプールでは14日まで、ソフトロックダウンである「条件付き行動制限例(CMCO)」が延長された。州を越える移動はできないが、経済活動の制限は緩和された。マスクの着用や検温、手の消毒、ソーシャルディスタンスの確保、入店人数の制限といった規則を守れば、商業施設の営業も可能だ。

▲マレーシアに初進出した日本のディスカウントショップ、ドン・キホーテは長蛇の列となり話題になった

 3月にはディスカウントショップのドン・キホーテ(東京都目黒区)が、クアラルンプール中心部に初出店した。入店するまでに長蛇の列ができ、最高で2時間待ちとなった。国内では旅行や娯楽が制限される中、商業施設がその代替となっている。新しく開店した小売店や飲食店を中心に、多くの客が押し寄せており、平日であっても人々が列をつくる様子が見られる。

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