製品をカタログ形式で提供、絞り込む工夫が必要 @FOODEX JAPAN オンライン【オンライン展示会】

展示会名:FOODEX/HJC(国際ホテル・レストラン・ショー、フード・ケータリングショー、厨房設備機器展)/インバウンドマーケットEXPO/オリジナル商品開発WEEK/食肉産業展/食品安全対策展 オンライン
会期:2021年3月2日(火)~10月8日(金)
FOODEX JAPAN のリアル会期:2021年3月9日(火)〜12日(金) @幕張メッセ
主催:(一社)日本能率協会
出展者数:1899社(4月25日現在)

 日本能率協会が主催する「FOODEX JAPAN(フ―デックス ジャパン)」「HJC(ホテレス)」など食品業界の展示会が、バーチャル展示会として合同で開催された。1899社が出展し、リアル展示会とのハイブリッド型としての活用を模索した。バーチャル展示会では、製品をカタログ形式で提供したが、製品数、企業数が多いため、絞り込むための工夫が必要だ。会期中に参加した記者が、製品ページやセミナーについてレポートする。


【この記事の内容】

1.トップページについて
 展示会ロゴからは、リアル展示会のサイトへ移動
2.検索について
 フリーワード、エリア、展示会、分野で絞り込みができる
3.製品ページについて
 カタログ形式で、1製品を1ページで紹介
4.企業ページについて
 製品リストから、外部ページにリンクする
5.セミナーについて
 YouTubeの限定公開にて、ライブとオンデマンドで配信
6.特集ページについて
 『スウェーデン製品』と『亀田製菓』を特集
7.出展者の声
 リアル展示会の参加者から問い合わせも
8.まとめ
 製品・出展者数が多いが、カタログとして充実


1.トップページについて

展示会ロゴからは、リアル展示会のサイトへ移動

 事前登録の上、ログインして参加する。トップページにはリアル展示会のロゴが表示される。上部の黒い帯には『製品検索』『オンラインセミナー』『特集』などのメニューが並ぶ。

 最上部には検索窓があり、製品名や企業名を入力できるほか、プルダウンメニューからも検索が可能だ。選択肢は『青果』『スマートモビリティ』『輸出可能』など、業種や課題が58個表示された。

 中央には、オンラインセミナーの説明、利用ガイドにリンクするビジュアルが表示される。その下には、展示会ごとにバナーが並ぶ。それぞれをクリックすると別タブが開いて、オンライン展示会ではなく各展示会のサイトに移動した。

 下部には『Pick Up』として、バナーが5つ並ぶ。特定の1社の企業ブースのほかは、『冷凍食品』『機能性食品』など、絞り込まれたカテゴリーの一覧に移動した。


2.検索について

フリーワード、エリア、展示会、分野で絞り込みができる

 メニューの『製品検索』もしくは『製品を探す』のバナーから、サイト内の製品を検索することができる。それぞれ、該当製品や企業数が数多く登録されており、3479品と1899社(2021年4月25日現在)が確認できた。

 『製品検索』のページでは、フリーワード、国・地域、展示会名、カテゴリー別の選択肢が表示された。例えば『オーガニック』で製品を検索すると302件、「FOODEX JAPAN」で企業を検索をすると1334社が該当する。『オーガニック』『青果』にチェックを入れて検索すると、2つの項目ではなく、どちらかに該当する607件が表示される。

 検索結果には、イメージ写真と商材名のみが表示される。そのため、膨大な製品データの中から、欲しい製品を探し出すには、根気が必要になると感じた。

 商材1つにつき、画像が1つ割り当てられるので、同じ企業の類似品は並んで表示される。まとまっていない状態のカタログを、1枚ずつ閲覧してくイメージだ。


3.製品ページについて

カタログ形式で、1製品を1ページで紹介

 製品ページでは、1ページで1つの製品が紹介される。上部には製品名のほか、『調味料』『輸出可能』などのタブ、製品の画像が現れた。1つの製品につき画像が4点表示されるが、同じような内容の画像が目立つ。気になる製品は『お気に入り』に登録し、マイページから参照することもできる。

 下部には、『ターゲット』『利用シーン』『製品の特徴』といった情報が文字や表でまとめられている。表では、サイズや容量、希望小売価格、特記事項の確認ができ、カタログのダウンロードも可能だ。

 最下部に、『出展者ページへ』リンクするボタンがあった。製品ページでは、企業情報は名称すらほとんど見当たらず、製品に焦点を絞って紹介していた。

 右下の『出展者へ問い合せる』というボタンを押すと、問い合わせフォームが表示された。チャットやオンライン商談のフォームは装備されていないが、カタログ形式のオンライン展示会においては、この形式で十分だと感じる。

 全体的にページ内の情報は整理されており、文字量が多くても見づらさはなく、優れたカタログという印象だった。


4.企業ページについて

製品リストから、外部ページにリンクする

 企業ページも、1ページで完結するつくりだ。最上部には、ロゴと企業名、出展しているリアル展示会名、ブース番号が記載されており、会場でブースを訪れる際の参考になる。その下には、取り扱う製品のリストが表示され、それぞれ製品ページにリンクする。

 出展者への問い合わせフォームは設定されておらず、各製品のページから行う。同じ企業の複数の製品について問い合わせたい場合もあるので、企業ページにも問い合わせフォームがあると便利だろう。


5.セミナーについて

YouTubeの限定公開にて、ライブとオンデマンドで配信

 セミナーは、ライブ型と録画済みのオンデマンド型で用意されている。取材日には、ライブ型の配信予定は発表されていなかった。オンデマンド型は、主催者が過去に開催したセミナーの録画を順次配信しており、いつでも視聴可能だ。

 公開されているセミナーは、26本(2021年4月25日現在)あったが、どの展示会に関するものかは記載されいない。一覧から最適なセミナーを選ぶことは難しいので、課題などから絞り込めると便利だと感じた。

 配信時間は30分~1時間程度で、YouTubeで限定公開される。会場で録画しているため、音声は少し反響しているが、おおむね聞き取りやすい。一方、スライドは光が強く当たっており、見づらい印象だ。なお、出展企業によるセミナーもあったが、出展者ブースへのリンクは設定されていなかった。


6.特集ページについて

『スウェーデン製品』と『亀田製菓』を特集

 『スウェーデン製品』と『亀田製菓』の2つの特集ページが用意されていた。

 『スウェーデン製品』では、リアル開催の「FOODEX JAPAN」における出展情報に加え、スウェーデン企業6社へのリンクが設定されている。日本での窓口として『スウェーデン大使館商務部』の出展者ブースへ、リンクボタンも配置されていた。

 『亀田製菓』では、現在PRしたい商材や取り組みについて、詳しい情報が盛り込まれたページが表示された。さらに各取り組みのページも用意されている。

 特集は取材時点で、2つのみだった。主催者がトレンドに合わせて、独自に特集を組めば、膨大な製品情報の中から有益な情報を得やすくなるのではないだろうか。


7.出展者の声

リアル展示会の参加者から問い合わせも

アグリオリーブ小豆島(香川県小豆郡)

 アグリオリーブ小豆島(香川県小豆郡)には、国内バイヤーから通販についての問い合わせがあった。展示会で実際に現物を見た人からの問い合わせもあり、リアル展示会との相乗効果も感じられたという。海外バイヤーからの問い合わせは取材時点ではなかった。


8.まとめ

製品・出展者数が多いが、カタログとして充実

 製品ページや企業ページの情報は、製品に焦点が絞られており、カタログとして充実した内容だ。製品を探す人には有益な作りになっていると感じる。出展者との連絡方法も『問い合わせフォーム』に統一されていて、使いやすい印象だ。

 しかし、製品数や出展者数が多いので、求める情報になかなかたどり着けない。情報がカタログの奥底に眠ってしまい、鮮度を失ってしまいそうだ。

 特集のような切り口で、主催者がさまざまな製品を取り上げれば、適切な形で情報を伝えられるのではないだろうか。


FOODEX JAPANオンライン
2021年3月2日(火)~10月8日(金)
https://www.jma-buyers.com/jp/

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