昨年に続くオンライン開催 自社サイトへの誘導口として利用する企業も @バーチャルテクノフロンティア【オンライン展示会】

展示会名:バーチャル TECHNO-FRONTIER 2021 冬
会期:2021年2月2日(火)〜12日(金)
主催:(一社)日本能率協会
出展者数:57社

 2020年秋に続き、21年もオンライン開催となった電気・機械関連の展示会「テクノフロンティア(TECHNO-FRONTIER)」では、自社サイトに誘導するための入り口として利用する出展者が目立った。企業ブースページが、1ページで完結するデザインであるため、掲載情報を絞る企業が多かった。出展者数と来場者数は前年からほぼ半減した。企業ブースや機能、操作感、出展者の声などについてレポートする。


【この記事の内容】

1.インターフェースについて
 気になるブース・セミナーを保存できる機能が便利
2.企業ブースについて
 企業情報は1ページで完結、構成はさまざま
3.企業とのコンタクトについて
 チャット、商談、名刺交換の機能はなく『お問い合せフォーム』のみ
4.マイページについて
 企業名やセミナーを一覧で表示、リンク先への移動も
5.セミナーについて
 オンデマンド配信が中心で、アーカイブ視聴はできず
6.来場者アンケートについて
 質問項目が多く、途中で離脱する懸念あり
7.出展者の声
 自社サイトに訪問者向け特設サイトを設置
8.まとめ
 伝えたい商材に絞って掲載し、詳細は自社サイトへ誘導


1.インターフェースについて

気になるブース・セミナーを保存できる機能が便利

 事前登録後に、ウェブサイトにアクセスして入場する。トップ画面には街のビジュアルが表示され、クリックできる場所にカーソルを合わせると、黄色い吹き出しが現れた。

 『メカトロニクスゾーン』『エレクトロニクスゾーン』など6分野で構成される。各ゾーンをクリックすると、街のすぐ下のバナーの色と文字が変化し、該当する企業が表示された。ゾーンのほか、カテゴリーでの絞り込みも可能だ。例えば『設計・開発支援技術ゾーン』では、『熱設計・対策設備』のカテゴリーを選ぶと、4社に絞り込まれた。

 検索時にページは遷移せず、トップページだけで完結する。画面の下部には全出展者が表示され、企業名からの検索もできる。企業バナーはロゴで統一されており、企業名のほか、2〜3行で商材の説明文が表示されるが、入力を忘れている企業もあるなど、統一感はなかった。各企業の特徴を端的に表現するためには、ロゴではなく視覚的な他の情報が必要だと感じた。

 上部の茶色い帯には『TOP』『主催者公演・出展者セミナー』『各社のブースを見る』『来場者アンケートに答える』『マイページ』が常時表示され、主なページをいつでも行き来できる。

 右下には赤いアイコンが4つ並び、カーソルを合わせると付箋状に変化した。『トップページ』『無料セミナー』『各社のブース』『マイページ』へ移動ができる。ページによって表示されるアイコンの項目は異なるが、情報収集に必要な機能が常に表示されているのが便利だった。


2.企業ブースについて

企業情報は1ページで完結、構成はさまざま

 各企業の情報は、1ページで完結するデザインだった。動画視聴や資料ダウンロードの機能もあるが、企業ページに必要な情報は網羅されていると感じた。

 トップページの上部には、企業ロゴとイメージ画像が表示される。大きなスペースを確保しているが、どんな商材を扱っているのか伝わりにくい企業もあった。画像のデザインを工夫するか、商材の特徴をダイレクトに伝える文字情報が必要だろう。

 ページ構成は企業によって異なり、製品説明の動画、ウェブサイトへのリンク、ウェブセミナーの案内など多種多様だった。下部には、ダウンロードできる資料一覧が設置されている。簡単な説明とイメージビジュアルが掲載されているので、必要なものを選びやすい。一括ダウンロードも可能だ。

 右下の赤いアイコンからは『マイページ』のお気に入りへ追加したり、企業の問い合わせページに移動できたりする。今まで参加した他の展示会では、これらの機能が統一されていない場合も多かったので、情報が整理されているように感じた。


3.企業とのコンタクトについて

チャット、商談、名刺交換の機能はなく『お問い合せフォーム』のみ

 展示会のサイトからは、『お問い合わせフォーム』を経由して出展者にコンタクトが取れる。チャット、オンライン商談、名刺交換などの機能は装備されていない。企業によって対応は異なるが、チャットができる自社サイトのリンクを貼っている企業もあった。

 チャット機能を装備するオンライン展示会は多いが、常時対応できなかったり、会期終了後にトークが消滅してしまったりする場合もある。そのため、各企業のサイトへ移動して行う方が合理的なのだろう。


4.マイページについて

企業名やセミナーを一覧で表示、リンク先への移動も

 『お気に入り』に保存した企業や、視聴予約をしたセミナーを一覧で確認できる。単に参照するだけでなく、ブースやセミナーへ移動するリンクも貼られていた。

 企業名のほか、商材についての紹介文も表示されるので分かりやすい。欲を言えば、カテゴリーも同時に表示されると、さらに良いのではないだろうか。


5.セミナーについて

オンデマンド配信が中心で、アーカイブ視聴はできず

 主催者による基調講演と、出展者のセミナーが配信された。ライブ配信は少なく、基本的にオンデマンドであった。スマートファクトリーやDXの実例など、業界で注目されるテーマについて、企業の会長や代表、担当者、大学教授らが、30分〜1時間で解説する。

 視聴できる時間は、会期中の10〜17時に限定されていた。通常の展示会開催の時間帯に合わせたのだろうが、アーカイブを視聴できないのは認知機会の損失になりそうだ。


6.来場者アンケートについて

質問項目が多く、途中で離脱する懸念あり


 来場者のフィードバックを強く求めているようで、質問項目が非常に多い。参加日数や時間、操作性や必要な機能などのニーズを聞き出して、今後の展示会に生かすという主催者の強い意思が感じられた。しかし、ボリュームが多いので、途中で回答を断念してしまう来場者もいるかもしれない。


7.出展者の声

自社サイトに訪問者向け特設サイトを設置

タムラ製作所(東京都練馬区)

 2年連続で出展した、電子部品製造のタムラ製作所(東京都練馬区)は、自社サイト内に展示会を通じた訪問者向けの特設サイトを用意した。オンラインでは場所の制約がないため、多くの訪問者に自社情報を知ってもらうきっかけになったという。


8.まとめ

伝えたい商材に絞って掲載し、詳細は自社サイトへ誘導

 サイト内では迷うことなく、最短距離で欲しい情報にたどり着けるよう工夫されていた。全体的に色調は強くないが、『お気に入り』『ダウンロード』などのボタンは、赤を用いて目立たせていた。カタログのような印象にならなかったのは、トップ画面の街のビジュアルの効果かもしれない。リアル感は無理して演出する必要はないと感じた。

 企業ブースは、1ページで伝えたい製品に絞って掲載していた。その他の情報や機能については、自社サイトに誘導する形式だった。展示会で商談までを完結させるのではなく、展示会の訪問者専用のサイトを用意している企業もあった。より情報が多く、確実にコンタクトが取れるサイトにつなげるのも、オンライン展示会の役目だろう。

 会期終了後、サイトのトップページは出展者向けのマーケティングパッケージの案内に切り替わった。バーチャル空間だけでなく、その後のフォローも含めて提供していく方針のようだ。

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