地域ごとに異なる規制内容に混乱広がる @イギリス・ロンドン【10月28日/新型コロナウイルス 世界の反応・現地レポ】
- 2020/11/3
- イギリス, 新型コロナウイルス世界の反応, 新型コロナウイルス関連記事
10月27日に死者数367人を記録 5月以来最多
イギリスでは新型コロナウイルスによる混乱が広がっている。10月27日には死者数が367人を記録。5月以来最多となる。ロンドンでは地域ごとに3段階のロックダウンが実施されており、規制だらけの息苦しい日々が続いているが、22日には政府が飲食業や宿泊施設、レジャー施設などに対し最大2100ポンド(約28万5000円)の助成金を配布すると発表。経営難に苦しむ市内の企業から喜びの声が上がっている。
イギリス全土では、地域ごとの対応の違いから混乱する声が上がっている。イングランド、アイルランド、スコットランド、ウェールズの4地域で対応が異なるほか、対応の内容も時々刻々と変化することから、現状を把握できない国民が増えているためだ。
<ウェールズ>
・11月9日まで事実上のフルロックダウン
・学校は実施するが、8年生以上のセカンダリースクール(中高生)はオンライン授業
・スーパーでは生活必需品以外の売買を禁止
<スコットランド>
・地域の状況ごとに5段階のロックダウンを実施
「レベル0」・・・屋内での集会は3世帯8人まで。屋外は5世帯15人まで
「レベル1」・・・屋内外の集会は2世帯6人まで
「レベル2」・・・室内の世帯間交流は不可。室外は2世帯6人まで。パブでは食事ありならばアルコール提供を認める
「レベル3」・・・アルコール販売は室内外ともに不可。レストランは一部規制のものオープン可
「レベル4」・・・ほぼフルロックダウンと同様の規制。学校はオープン。室外での交流は可
イングランド各地で『フリーミールキャンペーン』が広がっている。きっかけは、7月からマンチェスターユナイテッドのマーカス・ラッシュフォード選手の呼びかけで始まった『フリーミールキャンペーン』が、最近になって政府に拒否されたことだ。政府の動きを受けてマーカス氏が独自にイングランド各都市でキャンペーンへの参加を呼びかけると、各都市の飲食店などが賛同。ロンドンでもカウンシル(地域政)が助成制度を設けるなど、瞬く間にフリーミールキャンペーンが広がった。
また、こうした動きと連動して、サッカー界でチャリティー運動が広がっている。10月からプレミアリーグの放映権が「BTスポーツ」か「スカイ」だった場合は視聴に14.95ポンド(約2000円)かかるのだが、サッカーファンの間でその視聴金額を募金する運動が加熱。10月からのわずかな期間にも関わらず、リバプールで12万ポンド(約1620万円)、リーズで5万7000ポンド(約770万円)、ニューキャッスルで6万ポンド(約810万円)、トッテナムで1万6000ポンド(約210万円)、アーセナルで3万ポンド(約400万円)の募金が集まった。
また、ヒースロー空港の2番ターミナルと5番ターミナルで、香港・イタリア行きの乗客に対して唾液による新型コロナ検査を開始することが発表された。費用は80ポンド(約1万2500円)で、1時間以内に検査結果が出るという。10月20日から開始となるが、検査で陰性であれば、到着地で入国が認められることから、素早い検査できると注目が集まっている。