ロックダウン再延長 2月7日まで @オーストリア・ウィーン【1月27日/新型コロナウイルス 世界の反応・現地レポ】
- 2021/2/4
- オーストリア, 新型コロナウイルス世界の反応, 新型コロナウイルス関連記事
公共交通機関・職場などでのマスクを政府が指定
購入客が店舗に殺到 一部で混乱も
オーストリアでは新型コロナウイルスの感染状況が好転しない。新規感染者数は横ばいでの推移が続いており、人口10万人あたりの新規感染者数は1週間で約130人。政府は50人以下を目標としているが、1月に英国で発見された変異株がオーストリア国内でも発見されており、改善が見られない。
こうした状況を受け、ロックダウン措置を2月7日まで延長することが発表された。規制も厳格化されたものが多い。ソーシャルディスタンスはこれまで1メートルとされていたが、2メートルに延長。飲食業の営業は2月いっぱい禁止とし、その後の再開の目途は立っていない。
また、政府によるマスクの指定も発表された。公共交通機関や職場、店舗に立ち入る際は『FFP2』規格のマスクを着用することが義務付けられる。『FFP2』規格のマスクは主に業務用として使用され、一般のマスクに比べてフィルター性能が高いとされる。これまでも販売されていたが、1枚あたり約8ユーロ(約1000円)と高額だったことから使用率は高くなかった。政府が義務付けにあたり1枚あたり59セント(約74円)での販売価格を保証し、薬局やスーパーマーケットでも取り扱う店舗が増えた。
指定マスクの着用は1月25日からとなったが、混乱も発生した。ウィーンでは多くの市民が店舗に殺到し、数日でマスクは完売。在庫不足による『マスク難民』があふれる結果となった。政府は施行までに在庫を確保することを発表したほか、顧客向けに無料で配布する一部の店舗も見受けられた。
度重なるロックダウン延長と規制の厳格化により、市民からの反発も強まっている。ウィーン市内ではロックダウンの影響から自宅でのパーティーを行う人が増えており、問題視されている。これまでは目立って取り締まられることはなかったものの、頻繁にパーティーを行っているところに対して摘発するケースも増えてきた。
また、再開の道筋が見えない観光・レジャー産業に対する打撃も深刻だ。政府は救済措置としてスキー場やスケート場の営業については許可しているものの、観光目的の宿泊を禁止していることから、利用するのは近隣客か日帰り客に限られる。壊滅的な事態を懸念し、政府では統括的な救済措置を実施することも検討しているという。