海産物を詰め込んだ『瓶ドン』で全国にアピール【全国DMO巡り Vol.56】(一社)宮古観光文化交流協会

▲2018年から開発に取り組んできた『瓶ドン』

1000万円投じて国内観光客獲得へ

 岩手県宮古市が地元の海産物を使ったグルメで国内観光客の獲得を狙っている。その鍵を握っているのは、県内沿岸部でとれたウニやイクラなどさまざまな海産物を牛乳瓶に詰めた『瓶ドン』。ご飯にかけて食べるもので、2018年から地元を挙げて開発に取り組んできた期待の商品だ、現在は市内10店舗で販売を行っている。

 『瓶ドン』のアイデア基となっているのは、三陸地方のウニ漁だ。ウニの鮮度を保つため、獲れたてのウニと滅菌処理を行った海水と一緒に牛乳瓶に詰めて保存している。ユニークな見た目と地元でしか味わえない貴重さから、ご当地グルメとして本格的な開発がはじまった。

 開発の中心を担ってきたのは(一社)宮古観光文化交流協会だ。今年度は総事業予算2500万円のうち1000万円を投じて『瓶ドン』のアピールを行った。新聞折込や広告掲載、テレビ番組などのメディアで露出を高め、昨年6月には通販を開始。市の宿泊助成制度も活用し、岩手県内や東北エリアでの宿泊客向けに『瓶ドン』付きプランも開発した。同協会の山崎義剛事務局次長は「JR東日本の『行くぜ、東北。』キャンペーンでポスターに取り上げられるなど、話題になった。宿泊プランでは宿泊客数が前年比68.8%増となったので、宿泊事業者の手助けにもつながったのではないか」と手応えがある。

 大規模予算を投じる背景には、インバウンドの深刻な打撃がある。以前は宮古市に来る観光客のうち2割を外国人が占めていたが、新型コロナウイルスによって深刻な落ち込みを見せた。外国人観光客のほとんどは大型客船によるもので、昨年当初も宮古市に年7回寄港する予定だったが、新型コロナにより全て中止となった。予定されていたインバウンド向けPRもすべて凍結。今年になってようやく大型客船の寄港予定も少しずつ目途が立ってきたものの、市の観光戦略も国内を重視する傾向にならざるを得なかった。

 特に重要視するターゲットは岩手県の内陸部からの観光客や、宮城県・青森県からの三陸沿岸道路を利用する観光客だ。『瓶ドン』をきっかけに地域内での消費金額アップを狙う。山崎事務局次長は「来期には『瓶ドン』の商標使用料によって100万円の収入が得られる見込み。自ら予算を確保して次の手を打つ自走体制の準備が整ってきた」と語る。

今伝えたいこと

山崎 義剛事務局次長

 これまで宮古市は地理的に訪れやすい場所ではないと考えられてきたが、三陸沿岸道路が開通したことでアクセスが大きく変わった。仙台からでも気軽に来ることができる。また、三陸沖は世界有数の漁場で、ウニやアワビ、鮭などの豊かな魚介類が水揚げされることでも有名なので、この魅力を生かした『瓶ドン』をきっかけに情報発信することで、新たな観光客を獲得していきたい。

法人名:(一社)宮古観光文化交流協会
設立年月:1954年10月15日(2014年4月1日に社団法人化)
所在地:岩手県宮古市宮町1-1-80

参加自治体・企業・団体:岩手県宮古市、岩手県北自動車、浄土ヶ浜ビジターセンター、宮古商工会議所、宮古市内宿泊事業者、飲食店、三陸鉄道、他
年間延べ宿泊者数:国内 17万3702人泊/海外 768人泊
代表者:桐田 教男会長

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