規制強化で国内移動に2週間隔離を設ける県も @タイ・バンコク【2月5日/新型コロナウイルス世界の反応・現地レポ】

▲2020年8月下旬のパタヤ。外資のチェーン店も閉店した

深刻な経済打撃 感染防止か経済か問われる

 タイで新型コロナウイルスに対する規制が強化されている。これまで国外からの入国に対する規制はあったが、国内の移動についても規制を設ける県が増えている。特にバンコクからの移動に対しては厳しい対応が多く、2週間の隔離を義務付ける県も少なくない。

 バンコク都内での規制も強化されている。飲食店における店内サービスを23時までとする規制を実施。デリバリーなどは対象外だが、アルコールの店内提供も引き続き禁止となる。

 危機意識が高まっている背景にあるのは、隣国からの影響だ。タイをはじめとする東南アジアでは世界各国から見ても比較的新規感染の抑え込みに成功しているが、日本と違って陸続きの国であるリスクがある。隣国のミャンマー、ラオス、カンボジア、マレーシアからの入国者は多数おり、中でもミャンマーからの多数の出稼ぎ労働者はタイ国内の単純労働の担い手として経済を支えている。感染拡大防止のために入国のためには2週間の強制隔離を義務付けているが、違法に入国する不法就労者も多く、すべての不法入国を抑えることは難しいのが現状だ。昨年12月にはバンコク近郊の市場で発生したクラスターによりバンコクを中心に新規感染が急増。その発端が不法就労していたミャンマー人とみられており、これまで以上に厳しい視線が向けられている。

 また、新規感染を抑え込んでいる一方で高まっているのが、経済停滞に対する危機意識だ。これまでタイは多数の外国人観光客を受け入れる観光立国であったほか、自動車や家電などの海外メーカーの工場稼働によって経済が支えられていた。一部条件付きでの外国人の入国は認めているものの、観光客の受け入れ再開は未だ目途が立っていないため、経済的に大きな打撃を受けている地域ばかりだ。年末年始にチェンマイ・プーケットを旅行した在タイ日本人は「チェンマイは国内からの観光客がいたので多少活気はあったが、プーケットは閑散としていてひどい有様だ。これまで多かった外国人が一気にいなくなり、店舗も9割方閉まっている。たまに飲食店とコンビニが営業しているくらいで、ホテルでさえ売りに出されていることが多い」と語る。バンコクから約2時間の場所に位置するタイ東部のリゾート地・パタヤも同じ状況だ。飲食店の多くが廃業しており、薄暗い歓楽街の道端には失業者らしき人が寝そべっている姿も散見される。「いずれ外国人観光客の受け入れが再開しても、観光地のホテルや店舗の態勢が整わない。バンコク以外は年内の復興は難しい」との声もある。

 感染拡大防止に成功している一方で、経済に対する打撃は壊滅的な状況に陥っている。経済だけを見れば落ち込みの少ない日本を見て、「こんな状況であれば日本の方がマシ。一度タイを撤退して日本でビジネスした方がいい」とぼやく人も少なくない。

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