ロックダウンのさなかの春節、規制緩和ならず @マレーシア・クアラルンプール【2月20日/新型コロナウイルス 世界の反応・現地レポ】
- 2021/2/23
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マレーシアではロックダウンが続く2月11日から、中華圏の旧正月、春節が始まった。春節を迎えるにあたり、経済の活性化のためにさらなる規制緩和が期待されたが、新規感染者が平行線であることから一部の変更に留まった。10日から衣料品や玩具、花、スポーツ・アウトドア用品などの小売業が再開された。映画撮影や音楽レコーディングなどは、政府の基準を厳守することで再開となった。宗教施設での礼拝は時間指定の上、1回30分以内で30人以下の集会はできる。参拝者入れ替えの際には、徹底した消毒が義務付けられる。だが、住居から半径10キロメートル以内の移動制限のまま、州を越える移動は許可されなかったため、遠方の親族と春節を祝えない住民が続出した。店内飲食においても入店人数やテーブルあたり2人の利用制限が継続され、親族で集まることが慣例の中華系住民からは、「意味をなさない規制緩和」だと不満の声が上がった。ライオンダンス(中華風獅子舞)や、京劇のパフォーマンスなども禁止され、盛り上がりに欠ける春節となった。
17日には、人口も多く産業の中心であるクアラルンプールやセランゴール州、ペナン州、ジョホール州で、ロックダウンが3月4日まで延長されることが決まった。一方で、国内の新規感染者数は減少していることから、1段階緩和されたソフトロックダウン(条件付き行動制限例=CMCO)へ移行する地域も増えた。保健省は、5月末までに感染者を2桁にすることを目指しており、状況に応じてロックダウンを緩和すると発表した。
ロックダウン地域のレストランは、テーブル間を1メートル以上離すことで、テーブルあたりの利用人数を2人からテーブルサイズに合わせた人数へと変更された。車の乗車人数は、2人から各車両の最大座席数まで乗車ができる。ソフトロックダウン地域では、集会、会議、セミナーなどは、最大収容人数の半分の集客が可能になった。半径10キロメートルだった移動制限は撤廃となったが、州を越える移動は引き続き禁止される。