複数の地で感染者急増 初のエリアロックダウン @イギリス・ロンドン【7月1日/新型コロナウイルス 世界の反応・現地レポ】
- 2020/7/6
- イギリス, 新型コロナウイルス世界の反応, 新型コロナウイルス関連記事
7月4日にイングランドでロックダウンの大幅緩和が予定され、美容室やレストラン、カフェ、パブなどといった店舗の営業が条件付きで再開される。そのため各店舗はその準備に追われていた。
美容室では椅子などの消毒の他、スタッフと客の距離が近いため、フェイスガードを着用したり、一度に施術する客数を制限する対策を取るようだ。
レストラン、カフェ、パブでは、ソーシャルディスタンスを1メートル以上取れるようにレイアウトを変更している。屋外に席がある店舗は、それを使用するよう推奨されている。パブでは、注文をバーカウンターではなく座席でできるよう、アプリを使った仕組みを構築する店舗もある。これを機に運営方法に大きな変化が起きるとみられている。
なお、4日からのロックダウン緩和はイングランドのみとなる。スコットランドでは屋外のレストラン、ビアガーデンの営業は6日から、屋内の店舗営業は15日から再開となる予定だ。また、北アイルランドは3日から営業再開。一方、ウェールズはまだめどが立っていない状況だ。
そんな矢先、地方都市のレスターで新型コロナウイルスの感染者数が大きく増加した。これにより、レスターでは再び2週間のロックダウンが決定された。イギリスでは初のエリアロックダウンとなる。営業を再開していた小売店も、生活必需品を売る店以外は6月30日から営業停止。子どもも多く感染していたため、学校も7月2日から来学期まで閉鎖となった。ロックダウン緩和に向けて気を緩めかけていた人々にとって釘を刺される事態となった。
30度を越える日が続き、イギリスではビーチに向かう人が増えた。ロンドンや北ウェールズ、ランカシャーなどでは1週間で10人以上の感染者数増加が見られている。このままではエリアロックダウンが広がる恐れもあり、警戒が必要だ。
一般に「イギリス人はルールを守らない。反抗するタイプの人が多い」といわれる。この新型コロナ感染拡大の中でもその傾向が見て取れる。当初は身の危険を感じて自粛していた人々も、緩和が始まって以来、気の緩みが目立ってきているのを感じる。
週末になると各地で違法なパーティーやキャンプをしている若者がおり、取り締まりが強化された。公園ではゴミが散乱し、トイレがないからとそこらで用を足す者も多い。頻繁にそうした事態が起こることから、閉鎖される公園もある。ただ、それだけ人々のストレスがたまっているという証拠なのかもしれない。
7月25~19日に開催される予定だったイギリス最大の音楽フェスティバル「グラストンベリーフェスティバル」も今年は中止となった。また、昨年のラグビーワールドカップで日本中を沸かせたウェールズのラグビーチームは無観客では収入が見込めず、経営難に陥っている。
1つだけでも、明るい話題を紹介したい。サッカーのプレミアリーグでリバプールが30年ぶりの優勝を飾った。暗いニュースが多い中で、こうした嬉しいニュースは人々の支えになっている。もっとも、こうした祝勝パーティーを行うことすら、今の世情が許してくれないのも、悲しいものだ。