数字カウンターでライブ感を演出 @IT&MARKETING【オンライン展示会】

サイトは装飾より使いやすさを追求

 IT業界の展示会「IT & MARKETING EXPO」は、セミナーのライブ配信、商品動画、ウェブ商談を行うオンライン展示会として開催され、約300社が出展した。操作性を優先したサイト構成と視聴者の推移が分かる数字カウンター、統一感のある展示ブースで来場者を引きつけた。

展示会名:第2回 IT & MARKETING EXPO 2021 春
会期:2021年1月27日(水)~29日(金)
アーカイブ期間:2021年1月30日(土)~2月17日(水)
主催:ストラーツ
出展者数:約300社
来場者:5825人(会期中)


【この記事の内容】

1.インターフェースについて
 リアルタイムで状況が分かる、数字カウンターを設置
2.セミナー動画について
 動画から企業情報へ、スムーズに移動
3.出展者エリアについて
 『部署』や『課題』から検索でき、資料の一括ダウンロードも可能
4.まとめ
 派手さより使いやすさを重視、最短距離で情報にたどり着く工夫も


1.インターフェースについて

リアルタイムで状況が分かる、数字カウンターを設置

 来場者は事前登録が必要で、メールに記載されたURLから会場に入る。トップページは、IT企業のウェブサイトのようなデザインだった。30秒ほどのダイジェスト動画が流れるページが表示され、画面を閉じるとメインページに移動した。

 中央には大きく、セミナー動画の画面が配置されている。セミナー視聴の『Aステージ』と、タイムスケジュールが確認できる『講演スケジュール』のページは、タブで切り替えができた。

 最上部には数字カウンターがあり、『総来場者数』『講演視聴総数』『商談数』が常に確認できる。動画の画面上にも、セミナーを視聴している人数がリアルタイムで表示される。数分の間でも微妙に増減するので、人の気配を感じられる機能だと感じた。

 『講演スケジュール』の『録画予約』というバナーを押すと、自分のGoogleカレンダーに配信時間が登録される。一方的に配信するだけでなく、来場者に対して能動的に働きかける工夫が面白い。

 スマホからも参加してみたが、今回は対応しておらず、パソコンと同じ画面が現れるのみだった。


2.セミナー動画について

動画から企業情報へ、スムーズに移動

 動画は、業界最前線で活躍する登壇者の対談形式(約45分)と、企業の商材紹介(約20分)の2パターンであった。動画時間の目安が統一されていたことや、オンラインで伝えることに慣れたスピーカーが多く、総じて冗長にならず視聴しやすかった。

 各動画から企業情報への導線もスムーズだ。スピーカーのアイコンや名前をクリックすると、プロフィールがポップアップ画面で現れ、企業ページにもリンクしている。他の展示会では、企業ページに移動して検索しなければならない場合が多いので、とても機能的に感じた。

 画面右側の『Q&A』からは、運営者に向けて公開質問を送信できる。視聴トラブル、文字化け、アーカイブについてなど、他の人の質問もタイムラインとして流れてきた。動画へのコメントを気軽に送れる機能もあれば、よりライブ感が増しそうだ。


3.出展者エリアについて

『部署』や『課題』から検索でき、資料の一括ダウンロードも可能

 トップページで下方にスクロールすると、出展者エリアが表示される。画面の左側で検索した結果が、右側で確認できる。

 検索は『キーワード』のほか、『エンジニア』『広報』などの部署や、売上を上げたい、ペーパーレスを進めたいといった具体的な『課題感』などからも行える。条件に対して、何社が該当するかの数字も表示され、選択肢をクリックするだけで即座に反映されるので、検索ストレスは一切なかった。


 出展者情報は、バナーと2行の文字情報、社名に加えて、『ちょっと聞いてみる』ボタンがついている。バナーは企業ロゴ、商材のイメージ画像、動画のサムネイルなど企業によって異なる。同じカテゴリーの商材が並ぶ中、クリックされるためには、デザインの工夫が必要になりそうだ。


 バナーをクリックすると、各企業のブースに移る。別画面に切り替わるのではなく、検索結果画面の上に重なって表示される。右上の『閉じるボタン』を押すと、一覧画面に戻る。多くのオンライン展示会で企業ブースを巡る際には、再度検索結果に戻る作業が必要で、面倒に感じることが多かった。ユーザーの使いやすさを追求した最適解だと感じる。

 企業ブースでは、商材の詳細や企業情報の紹介のほか、資料のダウンロードも可能だ。画面の右側には、企業の担当者と連絡できるボタンが並び、『サービスを聞きたい』『価格を聞きたい』などの項目を選択した上で、Zoomで会話ができる。何人が訪問したかが数字で表示されており、注目度の目安になる。上部の『+気になる』ボタンを押せば、マイページ内に企業を登録できる。

 資料ダウンロードでは、『まとめて資料ダウンロード』機能が画期的だ。例えば『経理向け』なら11社、『人材が欲しい』なら17社の資料が、すべて圧縮された状態でダウンロードできる。一方、10MBなど容量の大きなファイルであるため、クラウドの活用やサイト内でPDFを保存する書棚機能を装備するなど、よりよい方法を期待したい。


4.まとめ

派手さより使いやすさを重視、最短距離で情報にたどり着く工夫も

 見た目のバーチャル感ではなく、来場者の使いやすさを追求しており、ストレスを感じることなく回遊できた。迷路のように複雑なオンライン展示会が多いなか、非常に整理されたサイトで、求めている情報に迷うことなくたどり着ける。

 特に検索機能は快適だった。部署や課題から検索できる機能は、他の展示会でもぜひ取り入れてほしい。今後は来場者の属性に合わせて、おすすめのセミナーを紹介してくれる機能にも期待したい。

 リアルタイム感はどの展示会でも課題だが、今回は数字カウンターで表現していた。来場者の質が問われるが、動画や商材についてのコメントを気軽に残せると、よりライブ感が出るのではないだろうか。

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