ロックダウンが春節の消費直撃 @マレーシア・クアラルンプール【2月5日/新型コロナウイルス 世界の反応・現地レポ】
- 2021/2/9
- マレーシア, 新型コロナウイルス世界の反応, 新型コロナウイルス関連記事
政府は18日まで、ロックダウンを延長することを決めた。中華圏の春節を12日に控え、1週間以上の連休となることから、人の流れや集まりを食い止める狙いだ。会食やパーティーなどの集まり、帰省、州をまたぐ移動が禁止された。警察は軍を動員して、幹線道路や高速道路などを封鎖するとしている。
クラスターの発生により、29日には新規感染者が5725人となった。27日に確認された17のクラスターのうち、15が職場から発生したという。工場や工事現場で起こることが多く、ジョホール州の工場では、1451人の従業員うち、547人の感染が判明した。クアラルンプール北部の大規模な都市開発地域では、376人のうち157人が陽性だった。
マレーシアとシンガポール間を走るビジネストラック(相互グリーンレーン)は、1日から3カ月間停止となる。現在、入国が承認されている場合をのぞき、相互往来ができなくなる。再開については、3カ月後に再度検討されるとしている。
国内の消費活動は、春節の時期が最も盛んで、前後1カ月で年間の総売上の15%を占めると言われる。今年はロックダウンで外食が禁止されていることから、飲食業は見込んでいた団体客が全く入らない状況となり深刻な影響が出ている。小売業では、食料品、生活用品、医薬品などを扱う店舗以外は、営業ができないため、取り扱う製品により明暗を分けている。
スーパーには、正月準備のために来店する、中華系の住民が多い。入店できる人数に制限があるため、施設の外にまで行列ができていることもある。列に並ぶ客に対し、通信販売で取り寄せができるという内容のチラシを配る業者も見られた。
列に並んでいた中華系の40代の女性は、フェイスガードとマスクを付け、手に使い捨てのビニール手袋をはめていた。ネット通販も利用するが、縁起物の飾りはサイズや色などを確認したり、実店舗のセールで安価な製品を購入したいと話した。また、10キロメートルの移動制限があるため、例年と比べて購入場所の選択肢がほとんどないようだ。