感染者数累が計100万人を突破、累計死者数は8826人 @タイ・バンコク【8月21日/新型コロナウイルス世界の反応・現地レポ】
- 2021/8/28
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在タイ日本人に帰国命令も出され、帰国ラッシュに
タイでの新型コロナウイルス感染者数が100万人を突破した。8月20日の国内新規感染者は1万9851人、死者は240人で、累計感染者数は100万9710人となった。累計死者数は8826人で、死亡率は0.87%。8月中旬から連日2万人を超える新規感染が続いており、ワクチン接種が進まない状況に対して国民からの不満の声が高まっている。
反政府活動も再び激化している。活動の中心となっているのは若者で、8月に入ってからは警察との衝突が相次いでいる。警察官によるデモ隊への発砲も一部報道やSNSで拡散されており、在タイ日本大使館からは登録者に対してデモの開催場所などを知らせる注意喚起メールが送られている。デモは2019年から続いているものであり、新型コロナで長引く経済活動の制限やワクチンを巡る政府の対応への不信から激化傾向にある。
タイの日本人コミュニティでも変化が表れてきた。日系企業の駐在員やその家族らに対して帰国命令が出されており、日本へ帰国する人が増えている。子どもの夏休み期間中に帰国し、9月からは日本の学校に通わせたい家族が多いことから、飛行機が混みあっているという。在住日本人は「日本行きの飛行機は8月いっぱいほぼ満席という状況。在住日本人の半数ほどが近いうちに日本に帰国するという噂話も聞いた」と語る。
今年6月に日本外務省が発表した海外在留邦人数調査統計によると、2020年10月1日時点のタイ在留邦人者数は8万1187人で、前年比2.6%増となっている。滞在人数ではアメリカ、中国、オーストラリアに続く4番目に日本人が多いとされており、上位10カ国のうちタイを除く9カ国では人数が減少していた。
だが、タイでは今年に入ってから感染者が爆発的に増加しており、病床確保も難しいほど医療体制がひっ迫している。日本人コミュニティでも日本へと帰国する人の話が頻繁に聞かれるようになってきた。海外在留邦人数調査統計の数字に対しても有識者は「統計の数字は、海外に90日以上滞在する邦人が各地の在外公館に提出する在留届を基に算出している。在留届の提出は義務とされているが罰則もなく、未提出の人も多い。最新の統計上では日本人の数が多いとされているタイだが、このまま帰国者が増えるようであれば、日本人向けに営業している飲食店・サービス業も減り、日本人コミュニティも急速に勢いを落とす可能性もあるかもしれない」と語る。