2度目の緊急事態で「ステイホーム命令」が発令 @カナダ・トロント【1月20日/新型コロナウイルス 世界の反応・現地レポ】

▲割引プランを提供する駐車場

 ロックダウンが続くオンタリオ州では14日、新規感染者数が減らないことから、2度目となる緊急事態宣言が発令された。在宅を要求する「ステイホーム命令」も発効され、全ての州民は外出が制限され、違反者は罰金や刑事訴追の対象となる。生活に必要な物資の購入、保健サービスの受診、運動などを目的とした外出はできる。日用品、酒屋などの小売店は営業時間が7時から20時までに制限されるが、食料品や薬局、ガソリンスタンド、持ち帰りや配達を行うレストランなどは対象外となる。これらの措置は14日間実施され、状況に応じて延長が決まる。

 15日には中小企業に対して、支援助成金の提供が開始された。ロックダウンで営業が制限された、従業員100人未満の州内の企業が対象で、2020年4月の収益が19年4月よりも20%以上減少したことが条件となる。助成金は1万~2万ドル(約80万~160万円)で、従業員への賃金や家賃などに使用できる。財務大臣によると、受付を開始してから24時間以内で1万社以上が申請しており、約10日間で受け取りができるという。

 エアカナダに次ぐ、国内シェア第2位の航空会社ウェストジェットは、約1000人の従業員に対して、一時解雇や無給休暇、労働時間を短縮することを発表した。1月7日から、搭乗前72時間以内の陰性証明の提出が必須となったことで、予約のキャンセルが急増したことや、2〜3月は国内線を30%減便するためだとしている。

 トロントのピアソン国際空港では、PCR検査の無料提供を開始した。カナダに帰国する国民や永住権保有者、14日間以上カナダに滞在予定で入国を許可された旅行者といった、国際線の利用者が対象となる。検査は看護師による監督のもと、リモートで入国者自身が行う。結果は48時間以内に報告されるが、陽性・陰性に関わらず、入国後は14日間の自己隔離は義務となる。毎週6万人以上が利用する空港であることから、感染拡大を食い止めたい狙いだ。

 トロントの駐車場では、価格や利用者層に変化が起きている。市街地のオフィスビル付近には、勤務者用の駐車場がある。ところが、新型コロナウイルスの影響で在宅勤務が推奨され、駐車場に空きが目立つようになったため、朝5~8時の間に利用を開始した人に対して、1日あたり2~3ドルを割り引いた価格で提供している。また、在宅勤務の促進にともない、オフィスの改装や工事も進められており、駐車場の利用者もオフィス勤務者から建設作業員へと変化しているようだ。

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