成績の不平等な評価基準に反発 @イギリス・ロンドン【8月19日/新型コロナウイルス 世界の反応・現地レポ】
- 2020/8/25
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再評価を実施する地域も
8月15日、フランスが渡航セーフリストから除外された。これにより、フランスからの入国者は2週間の自己隔離が義務付けられることになる。フランスはイギリスからの旅行者が特に多いため、イギリス国内でも大きな話題となった。また、オランダやモナコ、マルタ島、タークス、カイコス諸島、アルバ島も除外となり、クロアチアも除外対象になるとの見方が強まっている。こうした事態を受け、夏季休暇を国内で過ごす動きが強まっているが、国内の人気観光地であるウェールズやコーンウォールでは宿泊費も高く、休暇の過ごし方に悩む人が増えているようだ。
また、14日にはAレベル(日本でいうセンター試験)の結果が発表され、大きな波紋を呼んでいる。イギリスでは新型コロナの影響を受けて、今年度はAレベルとGCSEI(16歳を対象に実施される全国統一試験。共通高校入試のようなもの)の試験を行わないことが決定されており、これまでの模試の結果や成績から生徒を評価することが決まっていた。14日にその評価が発表されたのだが、判断の基準に「対象となる学習エリアの過去の成績」が盛り込まれていたことから、結果に不満を持つ人が続出した。以前から成績優秀者が多い私立学校等に通う生徒は評価が高くなりやすく、成績の悪い学校が多い地域の生徒は評価が低い傾向になる結果となった。
結果を受け、各地でデモが行われるなどの事態に進展した。予定していた大学に通えなくなった人も多いため、反発意識は今後も続くと見られている。北アイルランドは、評価基準を担当教諭ベースに変更し、再度評価し直すことを発表。ウェールズとイングランドも同様の対応を行うことを発表したものの、1度目の評価をもとに大学側の受け入れは既に決まっていたことから、再評価を実施しても大学側に入学の枠が残っていない事態が生じている。
イギリスでは規制緩和が広がっているが、マーケットのにぎわいはまだ戻っていない。営業を再開している店舗も増えている。そんな中、老舗の商業施設グリニッジ・マーケットが家賃を現状の倍近くに上げると発表し、テナントに混乱が広がっている。また、家賃不払いにおける強制退去の制限が8月23日で終了となることから、ホームレスの増加につながるとの懸念も広がっている。