3度目のロックダウンが発令、全土で4週間 @マレーシア・クアラルンプール【5月20日/新型コロナウイルス 世界の反応・現地レポ】
- 2021/5/22
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マレーシアでは、3度目の行動制限令(MCO)を発令した。発令前にも、クアラルンプールやセランゴール州などの都市部では、独自の対策をしていた。しかし、人の動きが活発になり、首都圏を中心にICU病床利用率が90%を超えたことや、インド変異株の拡大を予防するため、全土でロックダウンとなった。イスラム暦の新年前日である12日から、6月7日までの4週間が対象だ。サバ州とサラワク州は自治権が強いため、独自の規制にて運用するという。
今回も、州間移動は禁止される。食料品や生活必需品の買い物、通院のみが可能だ。自家用車やタクシーは、運転手を含めて3人のみ乗車ができる。飲食店、フードコートの店内営業は禁止される。オフィスへの出社は最大出社人数の30%以下となる。農業、漁業、畜産、自給自足のための釣りはできる。学校は公立、私立ともに閉鎖され、オンライン授業が推奨される。娯楽は基本的に禁止だが、ドライブインシアターは家族での利用に限り可能だ。1000人以上が収容できるモスクは50人、1000人以下の場合は20人まで礼拝に入ることができる。
ロックダウンとともに、人が集まる場所を検知するシステム『HIDE(Hotspot Identification by Dynamic Engagement)』が導入された。陽性患者の追跡記録をもとに、ビッグデータを解析し、AIがクラスター発生源を予測する。全国のクラスター発生率を基準に、封鎖などの措置を取るという。9〜11日までの3日間で、クアラルンプール市内やセランゴール州の商業施設、小売店、オフィスが消毒のために閉鎖された。
国内では13日、イスラム暦の新年ハリラヤを迎えた。例年は祝賀イベントが開催され、国内外から多くの観光客が集まる。今年は、前日からのロックダウンで自粛ムードで、装飾を施された商業施設は閑散としていた。入店時には、追跡アプリでチェックインをするほか、アプリ内にある個人の健康情報を確認し、リスクがある顧客かを判断する店舗もあった。観光地のでは、警備員が人数を制限する様子がみられた。