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- 企業ブースも動画メイン SNSのタイムライン風表示がなじみやすい @ET & IoT Digital【オンライン展示会】
オンライン開催された組み込み技術とIoT技術の総合展示会「ET & IoT Digital 2020」に本社記者が参加した。スマホとPCによる操作感についてレポートする。
会期:2020年11月16日(月)〜12月18日(金)
主催:(一社)組込みシステム技術協会
来場者数:6万6625人(33日間の延べ人数)
【この記事の概要】
1.インターフェイスについて
カテゴリーごとにタイムライン風の情報掲載
2.動画について
タイムラインで流れるすべての商品ページに無音動画
3.ブース(商品紹介ページ)について
商品紹介も動画メインで
4.セミナーについて
バーチャル空間に登壇者が現れる
5.企業ブース
展示会用に作られた動画が見やすい
6.その他
週ごとのセミナー視聴ランキングなど継続された情報発信
7.出展者の声
中小企業でも有名企業と並びタイムラインに流れるのは魅力的
8.まとめ
会期終了で閉鎖するのは惜しい
1.インターフェイスについて
カテゴリーごとにタイムライン風の情報掲載
事前登録の上、ウェブサイトにアクセス。まずはスマホでログインした。画面の上部に『HOME』『基調講演』『カンファレンス』、業種別に『AI & IoT』『ワイヤレス』など、14のカテゴリー別にインデックスがついている。それぞれのカテゴリーでは、情報がSNSのタイムライン風に掲載された。
トップページである『HOME』では、運営事務局によるお知らせが表示された。その週の注目セッションについて動画とテキストで説明され、スクロールすると企業ブースがタイムラインのように流れた。
2.動画について
タイムラインで流れるすべての商品ページに無音動画
タイムライン上の商品紹介ページすべてに、短い無音の動画が組み込まれ、Twitter(ツイッター)に流れる動画と同じような感覚で視聴できた。読み込みにストレスを感じることはなかった。用意された動画は長さも質もクオリティが高い。商材について情報を短時間で知ることができる。たくさんある商品紹介ページで注目を集めるには、文字情報よりも動画の方が訴求力は高いと実感した。
3.ブース(商品紹介ページ)について
商品紹介も動画メインで
商品紹介ページも、動画メインで構成されている。操作はSNSと同じような作りで、戸惑うことはなかった。動画の下に、ハート・矢印・星、という3つのマークが配置されていた。ハートは『いいね』と理解できたが、矢印は『URLのコピー』、星は『ブックマーク』だと理解するのには時間がかかった。参加者としてはハートの星だけでもいいと感じた。『いいね』が押された数を参加者が確認することはできなかった。
『もっと詳しく見る』を押すと企業ブースに移動した。点滅している『もっと詳しく聞く』を押すと、企業とのチャットルームが現れる。SNSでいうDM感覚で迷うことなくコンタクトを取れたが、このタイミングではまだ早すぎる気がした。
全てのセミナー・企業の右上に、付箋のようなものがついている。通して見ていくと2色あり、何かの機能かと思ってタップしたが特に反応はない。目につく場所にあるので、ブックマークしたセミナー・企業の色が変化するなど、なんらかの機能をつけたら面白そうだ。
4.セミナーについて
バーチャル空間に登壇者が現れる
会期中、100を超えるコンテンツが公開された。基調講演やカンファレンスは30分前後で、視聴しやすい長さだった。セミナーはバーチャル空間上で開催された。中央にパネルが大きく表示され、右下に登壇者が現れる。スマホ上ではパネル上の文字や画像が小さくよみにくいので、ブックマーク機能を活用して、PC上で視聴した。資料のダウンロードもできた。
5.企業ブース
展示会用に作られた動画が見やすい
ブースでは、音声が入った短い動画がトップに配置されている。視聴はスムーズでストレスを感じない。手持ちの動画を上げたというよりも、この展示会に最適化された、短時間で商材の要点が伝わる動画がアップされている印象だ。
ブース内では、「資料をダウンロード」したり、企業が用意した機器のデモ動画を視聴したりすることができる。YouTubeにアップされているもので、ページにかぶるように再生されるため、左右が見切れてしまう。PCで視聴した方がよかった。
6.その他
週ごとのセミナー視聴ランキングなど継続された情報発信
Twitter、メルマガなどで、新しい情報を常に発信していた。最終週には、業界の別のオンラインイベントのハイライトが追加で開催された。また、週ごとの人気カンファレンスを伝えるなど、情報を流しっぱなしにせず、約1カ月という長い会期中、トーンダウンすることなく情報を伝え続けていた。
7.出展者の声
中小企業でも有名企業と並びタイムラインに流れるのは魅力的
機器メーカーの担当者
事務局からまだ来場者データを受け取っておらず、営業活動はこれからになるが、会期中は具体的な商談に結びつかなかった。費用対効果は現時点では難しい。
出展者としては、オンラインならではのタイムリーな情報に欠けていたように思う。会期中にチャット画面を開いた来場者は約30人いたが、そのまま閉じる人も多く、サイト内の動線も不明なので押したときの意思が推測できない。動線が分かれば情報として営業に生かせるので、行動履歴を取れるようにして欲しい。
また、チャットで問い合わせてきた人の情報が翌日にならないと確認できず、リアルタイムで電話フォローできなかったので、改善を望みたい。
ブースに関しては、出展者側で動画や文言の変更を簡単にできるようにして欲しい。会期が長いので情報をアップデートしたかったが、部分的な変更が難しい仕様になっていたのが残念だ。
中小企業でも有名企業と並びタイムラインに流れるのは魅力的だった。イベントとしてまとまっているため、自社の情報をターゲットの目に止めてもらう機会は増える。
リアル展示会では、来場者に対し、声かけやノベルティを渡すなどして、能動的に行動できるが、オンライン展示会では受け身になる。何かアクションを起こせる仕組みを期待したい。
8.まとめ
会期終了で閉鎖するのは惜しい
全体的に情報が整理され、来場者の利便性を重視した作りになっていた。動画メインでも非常に軽く、ストレスを感じることはなかった。SNSのような感覚で参加できる展示会に可能性を感じた。双方向性、ライブ感が感じられれば、さらに面白いと思う。
会期終了と同時にアクセスできなくなってしまったが、会期を限定するには惜しいと感じた。展示会としてだけでなく、業界におけるメディアとしての活用方法も考えられるのではないだろうか。