商業施設が再開 ウェブ登録で行動管理 @タイ・バンコク【5月20日/新型コロナウイルス 世界の反応・現地レポ】
- 2020/5/24
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4月下旬から新規感染者数が1桁に減り、その後も新規感染者の中心は海外からの帰国者だ。17日には、3月下旬から休業していたデパートも営業が認められ、即日再開した施設も多い。飲食店の店内サービスは独立店舗に限られていたが、商業施設内の飲食店も再開した。
再開店舗が2割程度にとどまる商業施設もあったが、自粛に疲れた市民が詰めかけ、初日にタイ全土で約200万人が商業施設を訪れたと報道されている。
来場客の動きを把握するために、入店時にスマホでの手続き義務付けた。だが、商業施設で管理するのは難しいため、政府は『タイ・チャナ(タイは勝つ)』と命名したアプリではないウェブシステムを用意した。氏名、住所、訪問する施設を入力させ、入退店をチェックする仕組みだ。これまで検温しか行っていなかったスーパーマーケットも、このプラットフォームを使う。
政府発表によると『タイは勝つ』に登録したのは、再開初日だけで265万8754人。バンコクだけでも100万人を超えた。
だが、登録した個人情報の管理について、明確にされていないという問題がある。初日に266万人がチェックインしたにも関わらず、チェックアウトは184万5191人に留まった。
政府はスマホを持っていなかったり、使えない人を高齢者や幼児と想定し、これらの世代の感染リスクを高く見積もる。そのため、これらの人々に外出自粛を継続するよう考えているようだ。
商業施設ではチェックインできない人をむげにできず、帳簿に必要事項を記入させて対応し、入り口が混雑したという報道もあった。郊外にある家具量販店では、予想以上の来店者が集まり、日本で言う『3密』の状態ができ、一時閉店する騒ぎになった。
タイの人口は6900万人規模とされており、商業施設を訪れたタイ国民は3%以下と、まだ少ないとも言える。日本と同じように自粛で経済的な悪影響を受けた人、自粛に疲れた人も少なくない。
政府は5月末までを非常事態宣言の期間とし、夜間外出禁止令も同じ期間続ける。また、航空局は6月末まで海外航空機の飛来を禁止し、観光に関しては何も解放していない。まだ多くの産業において、成り行きが見守られている。