高齢者からワクチン接種が開始 @イギリス・ロンドン【12月9日/新型コロナウイルス 世界の反応・現地レポ】
- 2020/12/12
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渡航者への自主隔離を緩和
イギリスでは12月7日より、ファイザー(アメリカ・ニューヨーク州)のワクチン接種が開始された。記念すべき第1号となったのは、90歳のマーガレット・キーナンさん。政府によると、80万本のワクチンを仕入れており、高齢者を優先してワクチン接種を進めるとしている。しかし優先とはいえ、90代の人でも接種まで2週間程度要すなど、普及には時間がかかる見込みだ。同じ日には、新たに1万2282人の感染者と、616人の死亡が発表され、ワクチンに期待が寄せられている。一方で、若い世代を中心に反対する人が一定数いるため、現時点ではワクチン接種は義務化されていない。
国内では12月5日から、特定のビジネス渡航者は、14日間の自主隔離が不要となった。ジャーナリスト、テレビのプロダクションスタッフ、舞台芸術の専門家、スポーツ選手などが対象となる。15日からは、一般の旅行者がPCR検査で陰性である場合は、自主隔離の期間を5日間に短縮する。旅行者自身が検査を予約し、65~120ポンド(約9500~1万7400円)を支払う必要がある。この制度が開始されることで、国外在住者が国内の家族と過ごすためにクリスマス帰省しやすくなるだろうと言われている。
スポーツに関しては、サッカーのプレミアリーグでスタジアムに観客が戻ってきた。5日にロンドンで行われた、ウェストハム対マンチェスターユナイテッドの試合には、約2000人が集まった。スタジアムには8万人を収容できるため空席が目立つが、大きな一歩となった。
政治では、イギリスと欧州連合(EU)の自由貿易協定(FTA)が交渉を続けている。ブレグジット(イギリスのEU離脱)後の1月には、物流が混乱する可能性があると言われている。スーパーなどでも品数が減るなど、住民は日常生活への影響に不安を募らせている状況だ。
アルカディア・グループ(ARCADIA GROUP)は、感染拡大で売上が低迷したことが影響し、破産申請をした。申請期間中は営業を続けているが、ギフト券は半額の価値となったことで、ユーザーからは不満の声が上がっている。ロックダウン明けのロンドンでは、ホリデーシーズンを前に、多くの人がクリスマスショッピングに繰り出している。