会場:Malaysia International Trade & Exhibition Centre(MITEC)
会期:2020年1月9日(木)~11日(土)※最終日は一般入場可
主催者:CEMS Conference & Exhibition
出展者数:約200社
出展者層:食材飲料サプライ、飲料機器設備、製菓材料および機器、包装梱包材料、飲料機器メンテナンス
来場者層:コーヒー紅茶関連、バリスタ、カフェ&レストランオーナー、ホテル料飲部担当者、貿易関連、生産者、ディストリビュータなど
国内市場の飽和で新市場狙う日本企業も多数
クアラルンプールで開催されたコーヒーや紅茶などカフェ関係者を対象とした展示会「カフェ・マレーシア」には、アジア市場に注目する各国の出展者が集まり、日本からの出展者も多かった。東南アジアでコーヒーに対する関心が高まっているからだ。
「東南アジアや中国でコーヒー人気が高まっている。何回か海外の展示会に出展してきたが、伸びしろを確信した」と話したのは、コーヒー豆の販売やカフェを経営するフィロコフィア(千葉県船橋市)の梶真佐巳社長だ。月一回、海外展示会に参加し、市場調査を兼ねプロモーション活動を続ける。これまでに、中国、タイ、ベトナム、台湾での展示会に参加し、マレーシアは初めてだった。
ブースに訪れた1000人は、マレーシアのほか、シンガポール、インドネシア、台湾から来た人もいた。富裕層が厚くなり、コーヒーに関心を持つ人が増えたことが要因だ。「飽和した日本市場よりも可能性を感じさせる」(梶社長)
マレーシアの業者も、市場の加熱を感じていた。6年前の初回から出展を続けるコーヒー豆の大手サプライヤーBoncaféは、焙煎職人20人を呼びコーヒーを振る舞った。ブースには1万5000人が集まり、大半はマレーシア人だった。「カフェビジネスに参入を目指す人も多く、メニュー開発から店舗のオープンまでワンストップで解決できるものを探していた。イスラム教のマレーシアでは、カクテルよりもノンアルコールのモクテルが人気で、カフェで提供できるレシピやアイデアを探す人も目立った」(Bennie Teohさん)
カフェ文化が先行するシンガポールや、コーヒー豆原産国のインドネシアでは、カフェを観光の目玉にする動きがあり、市場の変化を感じていた。
「今後はお茶の人気が高まると感じた」と話したのは、浄水器を販売するPanaxy GroupのHo Shiao Kiatさんだ。紅茶や日本茶を専門に提供するレストラン、カフェ、ホテルの関係者が訪れ、お茶専用の浄水器に注目が集まった。東南アジアでは生水を飲めない環境が多く、飲食業には業務用の浄水器が欠かせない。マレーシアをはじめ、イスラム教徒が多い国では、水でさえハラール認証が厳格に問われるという。そのため、浄水器に対する関心は高い。「コーヒー業者は水にこだわる。今回は紅茶や日本茶などのお茶を提供するカフェ関係者が多かった。お茶専用浄水器の可能性を感じた」(Ho Shiao Kiatさん)
日本の環境技術にも関心が集まった。紙容器を扱う紙専門商社のカミール(新潟県長岡市)は、竹とサトウキビで作った紙容器ブランドを展示した。和を意識したデザインが特徴で、使用後は土に帰る。「脱プラ意識が思った以上に根付いている。茶碗型容器にに関心が集まるなど、日本伝統の食器もブームだった」(永田綾芽さん)