ダイビングツーリズムの人気が急上昇 ツアー会社の増加で価格競争も @DRT Show
- 2020/5/14
- マレーシア
会場:KLCC(マレーシア・クアラルンプール)
会期:2020年2月14日(金)~16日(日)
主催者:LX Development Group
出展者数:500社
来場者層:観光ホテル関連、旅行代理店、ダイビング&ウォータースポーツ関連、物流・運輸、アパレル、一般
出展者層:ダイビング機器・施設、ウォータースポーツ関連機器、観光関連、海洋保護組織
マリンスポーツ関連の展示会「DRT Show」には、東南アジアのレジャー関連企業が集まった。マレーシアをはじめとする東南アジア諸国でダイビングで観光客を誘致するダイビングツーリズムに注目が集まっているためだ。東南アジアのダイビングスポットは年々認知度が高まっており、この展示会が業界関係者の間でアピールの場となっている。ダイビングツーリズムでは、クアラルンプールがシンガポールやバンコクと並ぶアジアの中心地となっている。
インドネシアのバリ島でダイビングボートや観光クルーズ船を運営するMVSEAMORE(インドネシア)は今回が3回目の出展だった。バリは設備や宿泊施設などの環境が整ったダイビング先進国だ。近年人気が急騰するマレーシアで、バリの人気の再認知を図るために出展した。「各国でダイビングツーリズムが台頭しており、競合のリサーチの必要性を感じた。マレーシアのダイビング業者と情報交換できたのが一番の収穫」(Dewiさん)
インドネシアのビンタン島でホテルやリゾート施設を運営するNirwana Gardens(シンガポール)は、4回目の出展だった。継続して出展しており人気の変化も感じているようだ。「前回はスキューバツアーをアピールした。最近は、リゾート施設やホテルから出るオプショナルツアーを利用する客が多く、スキューバ以外のアクティビティが求められるようになった。今年はバナナボートやパラセイリングといった家族で楽しめるウォータースポーツを増やした」(Jazさん)
一部では価格競争も始まっている。6回目の出展となるMIRIDIVERS(マレーシア)は、一般来場者向けにダイビングツアーを販売し、RM1159(約3万7000円)の格安ツアーに人気が集中した。「シンガポールやマレーシアからの来場者が多かった。東南アジアのダイビングスポットが人気の一方で、競合が増えたことで価格にもシビアになった」(Jimmy Yongさん)
関連商品の売上も伸びている。マリンスポーツ用のフィンを販売するLeader Fins(エストニア)は、これまでネットでのみ販売していたが、アジア市場が拡大したため、市場調査を兼ねて初出展した。「価格にシビアだ。現状の最新モデルはグラスファイバー製が多いが、カーボンファイバー製が求められた。グラスファイバー製は高価だからだ」(Maksim Merkuriさん)。会場で手応えを得たことから、アジアのダイビングスポットで実店舗を構えることを検討するということだ。
新型コロナの影響で出展キャンセルも
日本企業の出展も予定されていたが、キャンセルとなったようだ。会場では日本企業が出展予定だった場所がキッズコーナーとなっていた。公式発表はなかったため理由は不明だ。
同展はマレーシアでの開催を皮切りに、5カ国8カ所で開催予定だが、4月に予定されていた上海会場が、新型コロナウィルスの影響で、7月に延期されることが発表された。
会場入り口では来場者全員に検温を実施していたほか、チェックインカウンターなど会場の至るところでアルコールジェルが用意されるなど、通常にはない体制が敷かれていた。会場にいる人の2割程度がマスクを着用するなど例年にはない風景も見られたが、出展者の多くは来場者数への影響を感じていないようだった。