会期:2018年9月4日(火)~6日(木)
会場:香港会議展覧会中心(The Hong Kong Convention and Exhibition Centre)
主催:diversified communications
出展者数:240社
香港で開催された水産物の展示会「Seafood Expo Asia」で、日本から出展する輸出会社が現地卸売会社と商談をまとめる姿が見られた。香港の卸会社は現地のレストラン、小売り、ホテルなどのほか、中国本土にも販路を持つ。米国や欧州から出展する企業も多く、中国市場での販路拡大に向け各社がしのぎを削った。
年商100億円の大勝フーズ(東京都中央区)は、売り上げの8割をホタテが占める。シャケやイクラなどと合わせて北海道産の水産物をコンテナで大量販売する。現在3割程度の海外売り上げを伸ばすために出展を続けている。
9回目の出展で顔見知りの卸会社も増えた。レストラン経営者や、香港以外の国から来る東南アジア、台湾、欧州の輸入会社がブースに立ち寄ったが、コンテナ単位で大量購入できる商売相手を探すのは簡単ではない。北海道産の海産物が各国の商品に比べて高いことを気にする人も少なくない。清水亮取締役は「今年は例年に比べ来場者が少なかった」と話したが、それでも手応えはあったということだった。
岩手産の牡蠣を輸出するヤマナカ(宮城県石巻市)は今回が2回目の出展だった。海外進出して4年目だが、3割を海外で売り上げる。中国本土への輸出は放射能汚染の問題で再開できていないが、安全テストをクリアして問題がないことを、高田慎司社長は来場者に伝えた。東南アジア、香港、台湾、シンガポールなどのレストラン経営者、輸入会社がブースに立ち寄り連絡先を交換した。
高知県産の小粒キャビアをペーストにした新商品を展示した興様フリーズ(高知市)も2回目の出展だ。香港で8年前からビジネスをしているが、当初は代理店に営業を任せていた。販路を拡大するために自社で直接顧客を持つ方針に変えたのは2年前だ。今回はカンボジアの業者が興味を示した。「レストランチェーンとの取り引きを狙っている」(高橋哲社長)
ロブスター世界的に高騰
「今年は前例がないほどロブスターが飛ぶように売れている」と話したのは米国・ポートランドから出展したCozy Harbour Seafoodのトム・キーガンさんだ。昨年、アメリカでロブスターの供給が少なかったことから、その反動で仕入れ業者が競って商品を買い漁っているという。いずれ市場で商品がだぶつくことも十分に考えられるため、販路を拡大するために出展した。
Dalian Jinda Condimentは、中国大連のワサビメーカーだ。大連で育てた生わさびをチューブに入れて販売する。日本料理の世界的な流行でワサビの売り上げはどの国でも伸びている。今年は中国とカナダの卸売会社との商談が進んだ。
中国福建省から出展したFOUQING HUAXIN FOODは養殖うなぎを展示した。海外売り上げが9割を占め、今回は日本から来た輸入会社が関心を示した。その他、中国、香港、東南アジア、ロシアで需要が高まっているという。 多くのブースから来場者の少なさを指摘する声が聞かれたが、商談は進んでおり、各社とも満足度は高いようだった。