栃木県は、世界的に評価が高い観光資源が豊富だ。世界文化遺産である日光の社寺(日光東照宮、日光二荒山神社、日光輪王寺)、CNNが選ぶ「世界の夢の旅行先10カ所」で日本から唯一選出されたあしかがフラワーパーク、那須温泉郷などだ。
国内で顧客対象として狙ったのは、アクセスが良好な首都圏の観光客だ。2018年は観光客入込数は過去最高となった。海外は県の海外誘客拠点がある台湾・香港をターゲットとしており、高いリピート率を保持している。2018年には外国人宿泊者数は過去最高を記録した。
栃木県には日光市の一つしかDMOがなく、観光庁から県一体でDMO活動を行うようにとの指導があったため、県内地域間の連携を強めることに注力している。そのため、昨年度は1500万円を使って、県域版DMO形成促進に係るビックデータを活用したマーケティング調査・分析・観光戦略調査研究を行った。20年1月、(公社)栃木県観光物産協会は「日本版DMO」に登録された。
また、1000万円を投じ、ウェブサイト『とちぎ旅ネット』を中心に地域の情報を集約し、県内の観光情報を一元化して発信機能を強化し、外国語サイトの追加翻訳も行った。その結果、ホームページのアクセス数が増加し、観光客入込数の増加にもつながった。
「今後はSNSも活用し、効果的なプロモーションを実施したい。観光客入込数の増加とともに、伸び悩んでいる観光客宿泊者数も伸ばしていきたい」(石川隆さん)
今伝えたいこと
栃木は「世界遺産」「ラムサール条約湿地」「ユネスコ無形文化遺産」といった世界的評価を得た観光資源が豊富だ。2018年の外国人宿泊数は過去最高を記録したが、他県と比較すると少ない。
高度な観光マーケティング施策を立案・実施できるトップマネジメントレベルの人材確保が急務だ。また、観光でのデジタル活用等が進んでいる中で協会職員のデジタル対応や活用した事業の推進も課題だ。
県とも連動してデジタル化対応の勉強会を立ち上げ、職員の人材レベルの底上げを図ると共に、マーケティングに特化した非常勤職員を確保し、マーケティング施策を実施していきたい。
設立年月:1963年2月19日
所在地:栃木県宇都宮市本町3-9 本町合同ビル1階
参加自治体・企業・団体:県内全市町観光主管課・地区観光協会・商工会議所・商工会、協会会員、県内東日本旅客鉄道、東武鉄道、関東自動車、JTB、近畿日本ツーリスト、県内旅行会社、栃木県旅館ホテル生活衛生同業組合、旅館・ホテル事業者 他
年間延べ宿泊者数:国内 804万6000人/海外 22万3000人(2018年実績)
代表者:新井 俊一会長