宝石探し体験が人気【全国DMO巡り Vol.34】(一社)糸魚川市観光協会

▲糸魚川を代表するヒスイの産地、小滝川ヒスイ峡。1938年に日本で初めてこの小滝川から発見され、現在日本の各遺跡から見つかるヒスイは全て糸魚川から産出したものとされる

拾った石を鑑定するサービスも

 宝石探し体験が、観光客を呼んでいる。糸魚川市観光協会が主催するヒスイ探し体験は、石の専門家が同行し、見分け方などを学ぶことができる。糸魚川駅にある観光案内所では、拾った石を保管するパレットが販売され、市内にある石の博物館、フォッサマグナミュージアムに持ち込めば専門家の鑑定を受けることができる。

▲ヒスイ峡から5キロメートル離れた場所にある、高浪の池。キャンプ場やゴルフ場が整備され、明星山の景色を望める食堂もある

 ヒスイ探しを行う海岸ではさまざまな岩石が流れ着くが、ヒスイの質と量は群を抜いており、縄文時代から続く世界最古のヒスイ文化発祥の地といわれる。市内を流れる姫川の支流にある小滝川ヒスイ峡には原石がたくさんあり、1956年に国の天然記念物に指定された。今もヒスイ峡には原石が眠る。糸魚川市が『石の町』と言われるゆえんだ。

▲2015年にオープンした糸魚川の情報発信拠点『ジオパル』。ジオラマが展示され、鉄道模型を運転することもできる

 2019年9月には、糸魚川市が中心となり『石のまち糸魚川』というプロモーション戦略で、観光客獲得に向けて動きはじめた。ジオラマの展示があり、鉄道模型で運転体験ができる情報拠点『ジオパル』も人気で、19年7月に開催したイベント「パルトレイン」には全国から3000人が集まった。参加者が自らの鉄道模型を持ち込み、走らせることができるイベントで、模型の無料点検整備や車両改造コーナーなども設けられた。会場には名古屋から駆け付けた鉄道模型ファンもいて、熱心な愛好家たちでにぎわった。

 「ヒスイ探しの人気は伸びており、8月に発売した石拾いグッズの売れ行きも好調だ。糸魚川の石の魅力を多くの人に知ってもらいたいが、石の鑑定ガイドが不足している。市の民宿協会が学芸員を対象に石の鑑定講座を始めた」(佐々木繁雄局長)

今伝えたいこと

尾崎 毅代表理事

 糸魚川市観光協会は今年3月に国の「地域DMO法人」に認定され、顧客調査や豊富な観光素材の有効活用、ブランディング向上への取り組みに力を入れている。限られた予算の中でそれぞれのプロジェクトを計画的に実行し、それを必ず振り返ることが重要。まずは、お客さまに糸魚川を満足いただけることを最大のやりがいと思い、取り組んでいる。


法人名:(一社)糸魚川市観光協会
設立年月:2017年1月
所在地:新潟県糸魚川市大町1-7-47

参加自治体・企業・団体:糸魚川商工会議所、糸魚川青年会議所、JR西日本、えちごトキめき鉄道、糸魚川バス、糸魚川旅館組合、糸魚川民宿協会、糸魚川観光物産センターなど293団体
年間延べ宿泊者数:国内 17万2434人/海外 3026人

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