国際会議の誘致を狙う観光団体が出展 @IME(国際MICEエキスポ)
- 2020/5/10
会期:2020年2月26日(水)
会場:東京国際フォーラム
主催:(一社)日本コングレス・コンベンション・ビューロー 他
出展者数:101団体・86小間
来場者数:363人
出展者層:MICE主催者、会議施設運営会社、ホテル、自治体
来場者層:観光協会、MICE主催者、自治体
人影まばら コロナウイルスの影響か
MICE誘致の商談会「IME(国際MICEエキスポ)」では、全国各地から集まった観光団体が地域をアピールした。国際会議などの誘致により、会議参加者に地域を観光させ、活性化につなげるのが狙いだ。今年は新型コロナウイルスの影響もあり、例年に比べ来場者が少ないと指摘する出展者が多かった。
(公財)ツーリズムおおいた(大分市)では、6年前から会議場を使用した人に市内の温泉施設や飲食店で利用できる割引券を配布し、アフターコンベンションの充実を計ってきた。市の2018年度の宿泊客単価は1泊2万3000円で、市内で会議が開催されると約100万円の経済効果を生むという試算もある。「IME」に参加したり、会議主催者に直接電話で営業活動を行うなどして誘致を図る。医療や大学の学会、産業・研究発表会で利用されることが多いが、国際学会はまだ少ない。「昨年は日韓関係の悪化により外国人観光客が落ち込んだ。今年は新型コロナウイルスの影響が懸念される。そのため、どうしてもMICEに頼らざるを得ない」(高橋一弘さん)
同じく国際会議の誘致を狙っていたのが、茨城県のMICE誘致推進協議会(水戸市)だ。18年、県がMICE誘致に取り組むために設立し、活動を本格化させた。『茨城MICEファンクラブ』という会員制度を創設し、補助メニューを用意しているという。同会の小松英雄さんは「筑波には国の研究機関や大学が多いが、学会の掘り起こしができていない。組織ができたばかりなので、まだ存在を認知してもらえていない。補助金を用意しているが活用事例も少ない。19年度から大規模なセミナーを開催した。今年も規模は小さいが、大学や研究機関向けの相談会を行う」と話した。
全国各地で新たな国際会議場の建設や改築も進んでいる。19年に中部国際空港近隣にAichiSky EXPOがオープンした愛知県は、海外から来た人が荷物を税関に通さずに展示場へと運ぶことができる保税処置ができる展示場を日本で初めて用意した。23年には名古屋市内の国際会議場を改築することも検討中だ。19年11月に新千歳空港から直結したホールがオープンしたのは、新千歳空港ポルトムホールだ。空港直結で移動時間を大幅に削減できる。
ホールを運営する新千歳空港ターミナルビルディング(北海道千歳市)の松浦里奈さんは「まだオープンしたばかりだが、大学の就職説明会などに使用されている。また、外資系アパレル企業から展示会に使用したいと問い合わせがあるなど、感触は好調。今後は国際会議にも使ってもらいたい」と話した。