来場者激減嘆く出展者 コロナの影響直撃 @にほんものづくりワールド

展示会レポ:第31回 日本ものづくりワールド 2020
会期:2020年2月26日(水)~28日(金)
会場:幕張メッセ 全館
主催:リード エグジビション ジャパン
出展者数:2030社
出展者層:製造業向けIT、機械部品、加工技術、計測器、工場設備、VR・AR、3Dプリンタ
来場者層:製造業の設計、開発、研究、生産・品質管理、情報システム、保守・メンテナンス、工場・設備管理

 あらゆる製造業を集めた展示会「日本ものづくりワールド」は、新型コロナウイルスの影響で来場者が激減した。「客足は例年の10分の1以下」と指摘する出展者が多く、開催の妥当性を問う声も挙がった。

 VR(仮想現実)、AR(拡張現実)、MR(複合現実)のビジネス活用事例を展示したクリーク・アンド・リバー社(東京都港区)の渡辺愛美さんは、「5G(第5世代移動通信システム)やAI(人工知能)の進展で追い風が吹いている」と話す。建設現場や工場などの危険体験の指導でVRを使う動きが広がっているが、今回はほとんど来場者がいなかったという。

 コロナ騒動の最中にあっても、AIによる業務効率化に関心を持つ来場者はいる。普段使っている図面を片手に「作業を効率化したい」とブースを回る人もいた。システムズナカシマ(岡山市)のブースにも製造業の担当者が訪れたが、「例年ほどには来場者の困りごとや要望を聞くことはできなかった。地方から来場する人もいるので出展したものの、展示会自体を中止にしてくれた方がありがたかった」と梶原景太郎さんは肩を落とした。

 工業系の製造業担当者が試作目的で来場することが多いという日本3Dプリンター(東京都江東区)も、集客に苦戦した。最近は金属の3Dプリンタに関心を持つ企業が多いようだ。「今まで樹脂を使って試作していたメーカーも、3Dプリンタで金属を加工し踏み込んだ試作の提供を目指している。最終製品に使いたいという声も多い」(大石海司さん)

 来場者が少ないことを嘆く出展者が多い中、意外なところから受注を得たブースもあった。環境試験機メーカーのエスペック(大阪市)は、出展している企業から製造業向けの環境試験の引き合いが2件ほどあった。「出展者が会場を回るケースが目立った。ただ、全体的な集客は少なく残念だ」(高畑淳一さん)

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