巨大複合施設でにぎわう沖縄の町【全国DMO巡り Vol.30】(一社)北谷ツーリズムデザイン・ラボ

▲『美浜アメリカンビレッジ』でも特に人気のエリア『デポアイランド』。劇場やホテルも備えている

激化する県内都市間競争
夜の観光充実させ宿泊客取り込み狙う

 沖縄本島の中西部にある、北谷(チャタン)町には、年間400万人の観光客が訪れる。22万7000平方メートルの広大な複合商業施設『美浜アメリカンビレッジ』を目当てに来る人が多い。海に面した地域にピンクや黄色などのカラフルな建物が並び、買い物や景観を楽しむために訪れる。2019年4月、施設内の海岸沿いに巨大なデッキスペースを新設し、波打ち際にテトラポッドが敷き詰められ、夕暮れ時に多くの人が集まるようになった。

▲2019年4月に完成したデッキスペースの『ボードウォーク』。インスタ映えスポットにもなっている

 これら観光インフラの整備を担当するのが、北谷町のDMO、北谷ツーリズムデザイン・ラボだ。地元の商店会組織『デポアイランド通り会』が母体となり、2016年に設立された。

 「沖縄は世界的な観光地となったが、県内都市間の競争は激化している。他の都市に新たな大型ショッピングモールも誕生した。ただ買い物に来てもらうのではなく、北谷町に長く滞在してもらえる仕組みが必要だ」と比嘉朝旬代表理事は話した。

 台湾人観光客を迎えるために、2016年、台北市の地元商店街と共同で文化交流イベントを両都市で開催した。お互いの認知度を向上させる狙いだ。

 ホテルの誘致にも注力している。五輪開催に合わせた観光需要に備えて新たなホテルの建設が進んでおり、2020年初頭には計400室分の建設が完了し、地域内客室数は約2000室になる見込みだ。「アクティビティーや夜の観光メニューを充実させたい。宿泊客を増やして北谷町全体を楽しんでもらえるようなソフト面を整備したい」(比嘉代表理事)

▲海沿いに設置されたカラフルなテトラポッド

今伝えたいこと

比嘉 朝旬代表理事

 これまでは『美浜アメリカンビレッジ』のユニークな建物や店舗と美しい自然景観を調和させることに取り組んできた。テトラポッドをカラフルにして美化する試みは、県内だけでなく全国的にも珍しい事例であり、その注目度は高まっている。

 ホテルも増えるので、欧米からの観光客の増加に努めたいが、海外観光客の受け入れ態勢にはまだまだ強化の余地がある。これからがDMOとしての正念場だ。


法人名:(一社)北谷ツーリズムデザイン・ラボ
設立年月:2016年6月
所在地:沖縄県中頭郡北谷町字美浜9-1

参加自治体・企業・団体:デポアイランド通り会(奥原商事・美浜リアルエステート・デポアイランド・ディストーション・オークイデア・ソフィア)
年間延べ宿泊者数:国内 30万人/海外 30万人

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