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ベトナム進出、活況 ホーチミンで開催の展示会も日本企業続々
- 2019/9/19
- ジェトロ(日本貿易振興機構), ベトナム
都の中小公社が現地事務所を開設したのは、南部の中心ホーチミン市と、北部の中心で首都のハノイだ。経済の中心ホーチミンには日系企業の拠点が多く、日本商工会議所の会員数も966(2018年3月)とベトナムの都市で最多だ。政治の中心ハノイは、ベトナム政府が経済振興策を打ち出し、日本だけでなく世界から進出企業が増えている。
中小公社が海外拠点を出すのは、タイ、インドネシアに続いて3カ国目だ。以前からASEAN地域の進出支援に力を入れており、昨年の国別問い合わせ件数では、ベトナムが最も多かった。担当者によると、先月の開設以降、製造業、小売・流通、雑貨・日用品など幅広い業種から問い合わせが入っているという。
金属加工の展示会日本から34社
「MTAベトナム」のジャパンパビリオン募集枠は例年20枠の募集に対し応募数も同程度で推移してきた。だが今年は募集24枠に対し34社から応募があり、参加企業のうち11社が初出展だった。
現地に同行したものづくり振興部の佐藤峻平氏によると、来場者の多くは現地工場のマネジメント層で、部品を供給する工場の関係者が目立ったという。人件費が上がっていることから、工場の環境改善や効率化商品に対する関心の高さを感じた。また、台湾、韓国、中国のナショナルパビリオンが日本よりも大きく、各国のベトナムに対する進出意欲の高さを感じたという。
日本のはかり求める政府関係者
韓、中の進出企業も来場
はかりメーカーの新光電子(東京都文京区)は日系企業との取引拡大を目指し「MTAベトナム」に初出展した。50カ国に販売代理店のネットワークを持ち年商30億の3割を海外で売り上げる。海外販売の4割をアジアが占め、中国、インド、タイ、ベトナムの順だ。海外売り上げは毎年数%伸びている。
ブースには4日間で60社が来場し、40社と取引を始める算段がついた。狙い通り日系商社とつながったことに加え、ベトナム政府で計量規則をまとめるSTAMEQ(科学技術省標準・計量・品質総局)の担当者が来場したことが大きな収穫となった。元々、代理店と縁があり新光電子の商品購入を考えていたが、代理店が本当に同社とつながっているのか確かめに来場したということだった。政府の基準を決めるためのはかりとして使うということで、「秋までには決めたい」と担当者は言葉に力を込めた。
従業員30人の板金加工業、吉村工業(岐阜県可児市)は2013年にベトナム東北部のバクザン省に工場を開設した。「MTAベトナム」は3回目の出展だ。当初は日本の進出企業から受注を目指して出展したが、韓国、中国、あるいは現地資本の工場から評価を得て、受注を重ねた。だが、今回は収穫がなかった。
「ブースの位置が悪かった」(吉村崇社長)
11年前から技能実習生を受け入れていたことが進出のきっかけとなった。実習生を3年でベトナムに帰さなければならないが、優秀な人材を確保したいと考え進出を決めた。現在、ベトナムでは8人の元実習生が勤務中。そのほかに現地採用した社員も15人いるという。
2回目の出展だったシンワ測定(新潟県三条市)は、定規やはかりなどの測定器具メーカーだ。金属加工機中心の「MTAベトナム」は同社の専門分野とは多少異なるが、来場する自動車部品を作る日系企業、ベトナムの鋼材加工業者などを狙った。現地での販売を代理店に任せているため、会社や商品の知名度を上げることが目的だった。
製品に対しては、「値段が高い」と言われることが多かった。日本の製品をそのままベトナムに持っていくので、現地のホームセンターで販売される中国製と比較されると価格では勝てない。高精度が売りだが、そこまで正確でなくても、と言われやすい。「タイはいいものを長く使う傾向になってきたが、カンボジアやミャンマーはまだだ」(海外営業部桐生駿さん)
国際イベントニュース編集長 東島淳一郎
2009年全国賃貸住宅新聞社入社。劇団主宰者から銀行勤務を経て30歳で記者に転身。7年間の記者生活を不動産市場で過ごす。2016年9月、本紙創刊とともに現職。
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