名所が人気スポットとは限らない【全国DMO巡り Vol.24】(一社)高千穂町観光協会

▲約7キロメートルにわたって断崖がそそり立つ観光名所の『高千穂峡』では貸しボートで遊覧ができるほか、夏季期間中は真名井の滝がライトアップされるなど、人気スポットとなっている

観光客調査で初めて見えた需要

 名勝・天然記念物に登録される『高千穂峡』は宮崎有数の観光名所だが、年間延べ宿泊者数は約20万人で、そのうち外国人観光客は3万人程度にすぎない。観光協会には半世紀以上の歴史があるが、地元企業や団体との連携は2016年にはじまったばかりだ。それ以前は観光協会が観光振興に取り組んできたが、2016年の熊本地震で風評被害に苦しむ中で、旅館組合や商工会が結束するようになった。その後2017年に、高千穂町観光協会(宮崎県西臼杵郡)がDMOに登録され、観光施策の統合が進んだ。

 活動は、観光客動向の調査からだった。都市部の30代女性を対象にモニターツアーやグループインタビューを実施し、観光客が旅マエ・旅ナカ・旅アトにどういったことを考えていたか、行動心理を図式化した。マーケティングでいう『カスタマージャーニーマップ』といわれるものだ。「我々が考える高千穂ではなく、高千穂を訪れた観光客が何を見て、何を体験し、どう感じたのかをありのまま調査したいと考えた。従来の観光スポットとは異なる自然景観の人気が高く、想定外の結果が見えた」(飯干隆佑さん)

▲雲海の名所として知られる国見ヶ丘。9月中旬~10月下旬の快晴無風の冷え込んだ朝に見られるという
▲国の重要無形民俗文化財にも指定されている、高千穂の夜神楽。11月中旬から2月上旬にかけて町内20の集落で奉納される儀式が行われる

 若年層を呼び込むため、20~30代の若手を観光戦略の担当にそろえた。「地元住民には聞かせにくい辛辣(しんらつ)な意見も受け入れなければならない。観光やマーケティングの専門家ではないが、同年代だから考えられる施策もある」 (飯干さん)

 若手の発想と、実態を捉えた観光客の行動データにより、新たな観光戦略を推進するということだ。

今伝えたいこと

佐藤 哲章会長

 観光客の需要調査と高千穂の宝の発見、観光品質、女性部会という4つの部会を中心に活動している。また、旅館組合青年部による観光マーケティング委員会を発足し、冬季のシーズンオフ対策を検討するなど、それぞれが活発な動きを見せている。急増するインバウンド観光客への対応や宿泊者数の月別分析、フードビジネス戦略など、今後も取り組むべき課題はたくさんある。戦略会議を定期的に開き、町の問題解決に取り組めるよう愚直に努力を重ねたい。


法人名:(一社)高千穂町観光協会
設立年月:1951年4月
所在地:宮崎県西臼杵郡高千穂町大字三田井809-1

参加自治体・企業・団体:観光協会、高千穂地区JA、商工会、旅館組合、飲食店組合、建設業協会、フォレストピア高千穂郷ツーリズム協会、あまてらす鉄道、宮崎交通、宮交タクシー、公民館連絡協議会、公民館女性連絡協議会、西臼杵森林組合、高千穂土地改良区、町農産物加工連携会、町金融団、高千穂町、宮崎県西臼杵支庁
年間延べ宿泊者数:国内 17万人/海外 3万人

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