外国人観光客の取り込みと首都圏観光客へのPR【全国DMO巡り Vol.36】(一財)箱根町観光協会

▲箱根神社の龍神水や玉簾の湧水は観光客からも人気

 箱根は今、方向転換を迫られている。外国人観光客の取り込みに向け動きを加速する。(一財)箱根町観光協会が中心となり「箱根観光カンファレンス2019」を開催し、箱根町民を対象に、地域の観光について考える機会を設けた。「ラグビーワールドカップやオリンピックを観光に生かす」「キャッシュレス決済」など、さまざまなテーマの分科会を開き、基調講演に評論家の山田五郎氏を招いた。

 狙いは、地域で掲げる目標を浸透させることだ。「箱根は毎年、国内観光客だけで約2000万人が来る。6割は、首都圏から来る。観光調査や人口推計を分析して2030年の地域の観光市場を調査すると、首都圏からの国内観光客は減少が続き、現状の外国人客の伸びでは補いきれないという結論に至った。このままでは、箱根の観光は衰退してしまう」(渡辺朝文事務局長)

 カンファレンスを経て、現在は2030年に向けて3つの事業への取り組みが始まった。1つ目は観光素材の強化とインフラの強化だ。2つ目は東京都と神奈川県を中心とする「首都圏観光客の再奪取計画」。3つ目は東京を訪れる外国人観光客を取り込むための旅前PRと周遊促進だ。調査結果で旅行の目的が多い旅行客ほど満足度が高く、消費額も高くなるという結果が出ているからだ。

▲金時山山頂からは、大涌谷や仙石原すすき草原、芦ノ湖をながめることができる

 「箱根町内の観光関係者の間で目標意識が統一され、足並みがそろったのはカンファレンス開催による収穫だと思っている。今後は豊かな観光資源をさまざまな角度から楽しむ観光スタイルの転換に力を入れたい」(渡辺事務局長)

今伝えたいこと

勝俣 伸理事長

 箱根の温泉は奈良時代に始まり、多くの人が足を運んできた。江戸時代後期には観光立町の基盤が作られた。この歴史をしっかりと引き継いで未来に運んで行こうと立ち上がったた「箱根DMO」では、数値に基づいたマーケティングを行い、箱根観光戦略を策定した。現在は多くのステークホルダーと情報共有を図り、DMOをきっかけとしてオール箱根、官民一体で観光消費の拡大に取り組んでいる。今後も箱根の発展に向けて全力で取り組みたい。


法人名:(一財)箱根町観光協会
設立年月:2013年4月
所在地:神奈川県足柄下郡箱根町湯本256

参加自治体・企業・団体:箱根町、小田原箱根商工会議所、箱根プロモーションフォーラム、箱根町商店連絡協議会、箱根温泉旅館ホテル協同組合、箱根町各地域観光協会(湯本、元箱根(湖尻支部)、芦之湯、宮ノ下、小涌谷、大平台、仙石原、強羅、宮城野木賀、箱根)、箱根町内の交通事業者(小田急箱根ホールディングス、伊豆箱根鉄道ほか)
年間延べ宿泊者数:国内 452万6000人/海外 59万6000人

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