アンケートから目玉メニューを開発【全国DMO巡り Vol.25】(一社)下呂温泉観光協会

▲市内の観光名所の1つ「小坂の滝」。遊歩道の整備された初心者向けコースや、ガイドなしでは行けない。秘境探検レベルの難コースまで、多彩な散策コースが用意されている

 岐阜県中央部にある下呂温泉の年間宿泊客数は、平成初期には160万人だったが、昨年は108万人だった。日本三大名湯の1つに数えられ、周辺には合掌造りの集落や遺跡群など観光名所も充実した地域である。

▲白川郷などから移築した10棟の合掌家屋が立ち並ぶ「下呂温泉合掌村」。民俗資料館や足湯温泉、陶芸体験やグルメも楽しめる
▲縄文時代の遺跡とされる金山巨石群。光の差し込み方や春分や醜聞などの周期が分かり、考古学、天文学ファンに人気だという

 「10年ほど前は100万人前後で推移していた時期が続いた。2011年の東日本大震災で日本中が旅行を控えるようになり危機感を覚えた」と話すのは、下呂温泉観光協会の瀧康洋会長だ。さらなる観光客減少を食い止めようと取り組んだのは、観光客の宿泊調査のデータベースを分析することだった。「データ収集は50年ほど前から実施していたが、うまく活用できていなかった。下呂市を訪れた観光客が何を見て、何を好んだか。どこからの客が減っているのか。人気スポットを一方的に売り込むのではなく、市場の変化を感じ取れる体制を整えた」と瀧会長は語る。

 データ分析で分かったことの1つが、目玉となるグルメメニューの不足だ。観光客に「下呂温泉に足りないもの」を聞き取ると、「食べ歩き」と「スイーツ」が上位に挙がった。そこで地元業者と共同で開発したのが、『美肌美人スイーツ』だ。2016年から4店舗で4種の『美肌美人スイーツ』ブランドの販売が開始され、現在では9店舗11種類まで数を増やした。観光客からの評価も好評で、隣町から参加する商店もあったという。

 「環境の変化を素早く知り、データに基づいたプロモーションを仕掛けたことで、震災の翌年にあたる2012年には観光客数がプラスに転じた。観光戦略におけるマーケティングの大切さに気付いた」(瀧会長)

今伝えたいこと

瀧 康洋会長

 地元の結束と客観的なデータ分析でピンチを切り抜けてきた。行政に頼らず、環境の変化を常に感じ、人が求めているものを作って売る。こうしたマーケットインの考え方を受け入れ、費用対効果の見込めるところに資源を使わなければならない。また、地元の資源を掘り起こして、新たな目玉をつくるプロダクトアウトも必要だ。そこには、肌感覚と人とのつながりが何より大切になる。観光振興は地道な活動を続けることだと実感している。


法人名:(一社)下呂温泉観光協会
設立年月:1946年12月
所在地:岐阜県下呂市森922-6

参加自治体・企業・団体:下呂市、下呂温泉旅館協同組合、下呂商工会、萩原町観光協会、飛騨小坂町観光協会、金山町観光協会、南飛騨馬瀬川観光協会
年間延べ宿泊者数:国内 95万人/海外 13万人

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