観光用の支出多い女性客の開拓狙う【全国DMO巡り Vol.31】(一社)伊豆市産業振興協議会

▲地元の温泉エリアには約400本が植えられている、土肥桜。ライトアップイベントも行っている

専用ツアー3本を実施 首都圏でウェブプロモーションも

 静岡県伊豆市は新たな観光客層を開拓するために女性客の獲得に力を入れている。旅行意欲の旺盛な20~30歳代をはじめ、平日に旅する母娘層をターゲットに、首都圏でのプロモーションを行っているという。

 これまで首都圏のシニア層を主要顧客として、2017年には年間宿泊者数は約82万人を達成した。だが、認知度の伸び悩みに課題があった。

 同年に設立したDMO、伊豆市産業振興協議会の山下芳之さんは「女性同士の旅だと、エステに一緒に行ったり、ちょっとぜいたくな宿に泊まりたいなど、しっかりと予算を取って旅を楽しみたいというニーズがある。これまでとは違う客層としてしっかり開拓し、認知度を高めたい」と話す。

▲今年度から市内6カ所で始めたライトアップイベント。夜の観光として人気を集めている

 1月には伊豆市の観光施設、土肥金山に咲く『土肥桜』などを巡る女性専用バスツアーも実施した。「日本一早く咲く桜」といわれており、毎年1~2月には見頃を迎える。夜にはライトアップもされ、市内の人気観光スポットとなっている。土肥桜のライトアップと市内の梅林を巡るツアーを企画し、3本実施した。一定の成果があったと考えているものの、まだまだ認知度が低いのが現状だ。2018年は、前年に続き500万円の予算をかけて首都圏でウェブメディアを通じたPRを行った。「プロモーションはすぐに効果が出るものではないと思うので、今後も継続的に行っていきたい」(山下さん)

 来年の東京五輪で、伊豆市はトラックレースやマウンテンバイクなど自転車競技の会場に決定している。「これを機に、キャッシュレス決済の推進など受け入れ態勢の構築を急ぎたいと思っている」(山下さん)

今伝えたいこと

菊地 豊会長

 伊豆市は人口3万人の小さな自治体だが、年間80万人を超える宿泊客が訪れ、観光交流客数は300万人以上となっている。こうした観光客が宿泊だけではなく、飲食やコンビニ・スーパーなど市内のサービス業にける消費の主体となっている。そのため、この市場を市内の各産業が顧客として取り込めるように、市や観光協会、商工会、JAの統合組織として伊豆市産業振興協議会を創設した。生き残りをかけた総力戦だと思っている。


法人名:(一社)伊豆市産業振興協議会
設立年月:2017年4月
所在地:静岡県伊豆市修善寺838-1

参加自治体・企業・団体:伊豆市、伊豆市観光協会、伊豆市商工会、JA伊豆の国、賛助会員16団体
年間延べ宿泊者数:国内 82万8270人/海外 2万9906人

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