手作業の極小部品加工技術を医療器具に【海外展示会挑戦記】岩井製作所
- 2020/2/28
岩井製作所(千葉県鎌ヶ谷市)
@MEDICAL FAIR THAILAND(タイ)
高い技術力世界にアピール
極小部品加工の岩井製作所(千葉県鎌ケ谷市)は2017年に、海外バイヤーが集まる地域の商談会に参加した。マレーシアの製造業と商談が進んだが取引には至らなかった。その後タイできっかけをつかみ、医療機器の展示会「MEDICALFAIRTHAILAND」に出展した。見積もりまで進んだ商談が2件あり、そのうち1件の日系企業から受注した。
マブチモーターの専属の下請けだったが、15年前、マブチモーターが海外に製造拠点を移し仕事の大半がなくなった。極小部品加工の技術を生かし、歯科医療で使う電動切削工具の回転軸やシャフトなど、精密部品の製造に転換した。最近は内視鏡の先端加工や手術ロボットのシャフト、梱包機械の部品製造を始めた。「国内では新しい市場が増えたが、いつまで続くかは分からない。そこで海外市場にも進出しようと考えた」(岩井武己社長)
海外向けには手作業の加工技術を売り込む。部品が小さいため、国際郵便でやり取りできる。千分の一mmの仕上げを人間の手作業でやるところに強みがあるという。「加工だけでも海外から受注できることを示したい」(岩井社長)
国内市場の対応に追われ、2018年以降海外展示会に出展できなかったが、20年はタイの「METALEX」、中国でものづくりの展示会への出展が決まっている。