現地ジャーナリストを招待しプロモーションを実施
世界遺産に認定された「グラバー邸」、毎年秋に開かれる「長崎くんち」。毎年冬には市内で「長崎ランタンフェスティバル」が開催され、市内各所に約1万5000個の中国提灯が飾られる。海外観光客も多い。
そんな長崎が現在ターゲットとしているのが、オーストラリアからの観光客だ。歴史、文化、自然、食に対する関心が高いからだ。オーストラリアからの観光客は2018年は年間6212人で、市内を訪れる外国人観光客数全体の2%にとどまる。東京五輪・パラリンピックや、21年関西で開催されるワールドマスターズゲームズをきっかけに、オーストラリア人を長崎に向けたい考えだ。
2019年にはANAシドニー支店と連携しオーストラリアのジャーナリストを「長崎くんち」に招待し、長崎市内の観光やグルメスポットを紹介する事業を行った。参加者の関心を集めたのが、長崎市の歴史だった。「市内の平和公園を訪れた時に、原爆投下や復興の歩みをガイドが紹介した。話に涙を流す人もいて、街の歴史そのものに魅力を感じてもらえた」と(一社)長崎国際観光コンベンション協会の石川真梨子さんは話した。
来年度は欧米豪をターゲットとしたコンテンツ開発に注力する。プロモーションや現地でのセールス活動を通じ、近隣地域と広域連携を図る。「SNSを通じたプロモーションも強化したい。今年度からFacebookで外国人観光客向けの情報発信を始めた。開催に合わせて、市の歴史や文化、食などの情報を投稿し、フォロワーは伸びた」(石川さん)
今伝えたいこと
豊饒 英之DMO推進局長
ジャーナリストの招致し、市内の観光スポットを一緒に巡った。2日間だったが、生の声を聞けたことが最大の収穫だった。被爆地としての長崎の歴史や復興の歩みに感動している姿は印象的で、参加した人からは「長崎が歩んできた歴史や、人々の心も、この地域の魅力の一つだ」という話を聞くことができた。ツアーを通じて長崎の新たな魅力を発見でき、大きな刺激になった。
設立年月:1954年6月
所在地: 長崎市出島町1-1 出島ワーフ2階
年間延べ宿泊者数:国内 266万5600人/海外 30万6019人(2018年度実績)