スポーツ関連の展示会「SPORTEC」には、施設における有効な感染症対策を探す、スポーツジムやフィットネスクラブの関係者が訪れた。新型コロナウイルスの影響で、大きく売り上げを落とした業界関係者は多く、退会防止策が求められていた。また、競合との差別化につながる機能性食品に対する注目度も依然として高かった。 

　抗菌作用のあるアロマディフューザーを展示したCSE（東京都渋谷区）のブースには、競合施設との差別化につながるアイテムを探すフィットネスクラブ関係者が来場した。これまではリラックス作用や高級感を産み出す演出に注目が集まったが、新型コロナの影響により抗菌作用に関する問い合わせが増えているという。「ブースに明記した『抗菌』という言葉に反応する人が多かった」（湯川明勲さん）

　抗菌・抗ウイルス作用のある光触媒コーティング剤を展示したリレース（埼玉県越谷市）には、有効な感染症対策を探すスポーツジムや不動産管理会社の関係者が集まった。ウイルスを不活性化するコーティングにより、感染拡大以前と変わらない施設運営が可能だという。「機器使用後に毎回アルコール除菌を行うなど、施設の負担は大きい。施工に向けて本部と調整しているジム関係者もいた」（三保拓也さん）

　機能性表示食品のチョコレートを展示したエヌワイビー（長野県長野市）には、ジム運営者、スポーツ選手、ECサイト運営、健康器具販売など100社が訪れた。プロテインを展示する出展社が多く、チョコレートの展示が珍しく受け止められた。機能性表示食品という点も注目を集めることにつながった。プロテインを含むものなど、コラボ商品に関する相談も寄せられた。「健康器具の販売会社から、チョコレートと抱き合わせて売りたいという相談もあった」（常泉かれんさん）

　一方、女性を対象にした商材が、男性向けのものとして注目を集める場面もあった。塗る筋トレクリームを展示したアクシス（石川県金沢市）では、スポーツジム関係者が男性会員向けの販売商品として関心を示した。妊娠線や過度なダイエットによる肉割れのケアなどに効果があるボディクリームとして女性の使用が多いものだが、トレーニングによる肉割れの対策として男性向けの販売を検討していたという。