開催日:2019年1月12日(土)・13日(日)
会場:タマドーホール(Tatmataw Exhibition Hall)
主催:ミャンマー連邦旅行協会 Union of Myanmar Travel Association(UMTA)
出展者数:70社
小間数:119小間
来場者数:6000人(前回)
出展者層:旅行会社、ホテル、航空会社、保険会社、銀行
来場者層:旅に関心のある一般客、旅行会社、ホテル経営者、航空会社
4月の長期休暇に向け旅先を探す機会
ミャンマー最大規模の旅行イベント「Myanmar International Travel Mart」は、旅先を探す一般客や、新商品を探す旅行会社が来場し、旅行会社、ホテル、航空会社、保険会社、銀行などが出展する。年に2回開催され、今回は4月の長期休暇の旅先を探す人を狙ったプロモーションが大半だった。ミャンマーでは4月17日が旧暦における正月にあたる。前後を含め5~9日程度の長期休暇となる人が多い。
旅行の人気は高まっている。2011年の民主化以降、外資系企業の進出が続き、高い給与を得る人が増えたことが一因だ。新卒の初任給は月2万円程度だが、外資系企業に勤めるサラリーマンだと、月5万~8万円稼ぐ。タイ・バンコク旅行で3万円、国内旅行であれば1万円程度で行けるため、旅行を身近に感じる人が増えた。芸能人やインフルエンサーが海外旅行の様子を投稿するのを見て憧れる人も多く、旅行はステータスシンボルになっている。
2回目の出展となったH.I.Sミャンマー支店には、ヤンゴン在住の30代が多く訪れた。2泊3日のバンコク318ドル(3万4800円)、4泊5日のバリ599ドル(6万5600円)が人気だった。東京、鎌倉を回る4泊5日の日本ツアーは、1280ドル(14万200円)と高額なため、関心を持つ人は限られたという。日本や欧米のツアーに参加するのは、企業経営者や不動産オーナーなどの富裕層に限られるようだ。
ヤンゴンとミャンマー第2の都市マンダレーに拠点を置く旅行会社のNice Styleは、会期中に20件以上の商品を販売した。今年はアメリカ旅行の人気が高く、40歳以上の経営者が家族を連れていくケースが多いという。昨年は欧州が人気だった。
ミャンマーでは友人と旅行に行くケースは珍しく、家族旅行が圧倒的に多い。国民の大半が信心深い仏教徒で家族の絆が強いことが影響している。海外から商品を輸入して販売する貿易事業者、不動産オーナー、建設会社、製造業などの経営者家族が顧客の大半だそうだ。「旅行代金を支払ったのに旅行に行くことができなかった、といったトラブルも耳にするなど、業界全体で改善していく点は多い」(Su Su Myint Aungさん)
一方で、現地通貨チャットが米ドルに対して下がり、海外旅行需要が落ちているという話も多かった。2018年夏前から、対米ドルに対するチャット安が進み、3カ月で15%ほど下がった。国内で製造できるものが少なく、多くの生活物資を輸入に頼るため、レストランやスーパー等でも値上げが目立つ。
旅行会社のThousand IslandsTravel & Tour Companyも、10~11月の旅行シーズンは数字が伸びず、巻き返しを期待して出展した。以前に比べタイ、バンコク、ベトナムなど近場の人気が高かったが、欧州を検討する人もいた。バンコクで健康診断や手術を受けるツアーも扱い、現地到着後の送迎や通訳がついたプランが人気だった。
出展者の声
4月と10月が旅行シーズン
Union of Myanmar Travel Association(UMTA)
2019年に始まったこのイベントは、ミャンマーの大型旅行シーズンに当たる4月と10月の予約時期を狙い、年に2回開催している。直近の消費者動向の変化として感じるのは、東南アジアには一通り行ったからなのか、アメリカとヨーロッパに人気が集まっている。
寝具の輸入販売 ホテル向けに
Natray
寝具を輸入するNatrayはホテル経営者に、ベッドなどをアピールした。ヤンゴン在住のホテル経営者が訪れ、地方で建設する3件のホテルとの商談がほぼ成立した。質の良い商材を探していたようで、日本人が経営するホテルで導入されていることが、評価につながったようだ。
現地最大のオンラインメディアがスポンサー
Duwun
ミャンマー最大のオンラインメディアDuwunは、イベントスポンサーとして、告知を目的としたPR動画や記事の配信をサポートした。若者の旅人気を受けて海外旅行関連記事を公開する。これまでにスペインや韓国で取材し、韓国の旅行協会とはつながりが強いという。
旅行保険の認知獲得狙う
G.G.I
現地の保険会社大手G.G.Iは、個人向けに旅行保険のプロモーションで出展した。旅行のパッケージに組み込まれることが多いため、旅行会社と接点を持つことも狙いだ。旅行保険自体の認知度が低く、加入者はまだまだ少ないという。