海外ゲームメーカーが狙う日本市場 @ 東京ゲームショウ 2018

 
  • 2018/10/30
展示会名:東京ゲームショウ 2018
会期:9月20(木)・21(金)ビジネスデイ 23(土)・24日(日)一般公開日
会場:幕張メッセ1~11、イベントホール、国際会議場
主催:(一社)コンピュータエンターテインメント協会
共催:日経BP社
出展者数・出展小間数:668社・2008小間

 東京ゲームショウに出展した668社のうち、330社が海外からの出展企業だった。特に、新興ゲーム制作会社を集めたインディーズコーナーでは150社の3分の2を海外企業が占めた。日本のモバイルゲーム市場を狙う企業が目立ち、初日と2日目のビジネスデイでは、日本のゲーム会社との間で商談が行われた。

▲韓国から出展したTRITONEのDanielE.J.Koo CEO
日本のモバイルゲーム市場を狙う

「東京ゲームショウ」 海外メーカーが日本市場を狙う

 韓国パビリオンに出展したTRITONE(韓国)はモバイル向けのゲームアプリを展示した。3年ぶり2回目の出展で、間もなく発売するRPGゲーム「Project OZ」のPRが目的だった。これまで12作品を制作し、米国と韓国を中心に1000万ダウンロードされたヒット作もある。だが、今のところ、日本での知名度は低い。ビジネスデイではパブリッシャーと呼ばれる日本のゲーム販売会社と接点を持つことに力を注いだ。

 ゲーム制作業界は、企画・販売・プロモーションを担当するパブリッシャーと、ソフト開発そのものを担当するデベロッパーという二重構造となっている。TRITONEのようなデベロッパーは、世界展開できる日本のパブリッシャーとのつながりが重要だ。

▲アンドロイド版のモバイルゲームをPCで操作する無料ソフトを展示したNox(中国)

 日本のモバイルゲーム市場は世界最大といわれる。2017年のiOS向け「App Store」における国別1人あたり支払額ランキングは、日本が214ドル(約2万4000円)で1位。このうち約90%がモバイルゲームの購入や課金だ。2位のオーストラリアが114ドル(約1万3000円)なので、2倍近い開きがある。「韓国の約3倍ある日本のモバイルゲーム市場に食い込みたい」(DanielE.J.Koo CEO)

 Nox(中国)はAndroidのモバイルゲームをPCで操作できる無料ソフトを展示した。150カ国以上で1億5000万人が使用するソフトで、日本にも600万人のユーザーがいる。広告収入で収益を上げるため、今回は広告出稿主を探すことも目的の一つだった。

 来場者からはiPhone用のiOS対応を望む声が多く聞かれた。日本のモバイル市場ではiOSが約7割を占め、Androidは3割にとどまるが、世界的にはこの数字が逆転する。今のところiOSには非対応であり、その影響か、「広告出稿を望む企業との接点は得られなかった」とCherryさんは話した。

▲マレーシアから出展したイラスト制作会社のSephora Design Hausはテレビ東京系でアニメ化された「絶対防衛レヴィアタン」のモンスターを全て担当した

 イラスト制作会社のSephora Design Haus(マレーシア)はマンガやアニメーション制作を得意とし、売り上げの9割を日本企業から受注する。30人のスタッフを抱え、年商は約1億円で、やはりモバイルゲームの仕事が8割を占める。

 初出展した今回は、日本のゲームデベロッパーとの直取引を狙った。現在はデベロッパーとの間に仲介会社が介在する取引が大半で、利益の半分をマージンで持っていかれてしまうからだ。ディレクターのKenji Au Yeongさんの手応えは十分で、「予想以上にアニメーション制作の要望が多かった」と話した。

 来場者でも、外国人の姿が目立った。中小ゲームデベロッパーのブースが並ぶインディーゲームコーナーに初出展した自転車創業の、かざみみかぜ。さんは「この一角に来る来場者の3割は外国人」と話した。アジアや欧米からの来場者も多く、用意した英語のパンフレットが早いペースで手に取られていった。大手によるメジャーソフトと違い、新興メーカーのソフトを探せる機会は少ないため、世界のゲームファンが訪れていたようだ。

 今年は、任天堂がインディーズゲームコーナーとビジネスミーティングエリアのスポンサードでゲームショウに初参加した。昨年発売したニンテンドースイッチのソフトの拡充に向けて「新たなゲームソフトやメーカーの掘り起こしを狙っているのでは」と主催のコンピュータエンターテインメント協会・山地康之事務局長は話した。

eスポーツ 台風の目に

▲eスポーツ用の椅子を展示した真善美(埼玉県ふじみ野市)

 対戦型ゲームで戦うゲームプレイヤーを観客向けに演出したeスポーツは、今年のゲームショウのキーワードの一つだった。主催者も会場内に目の前で観戦できる特設スタジオを設け、海外から著名なプレイヤーを招待した。彼らを目当てにした来場者も多く、特に国内外のメディアが注目していた。

 新しい市場に注目する企業も多く、eスポーツ専用の椅子を出展した真善美(埼玉県ふじみ野市)のブースには家電量販店や外資系の総合スーパーのバイヤーが訪れた。また、高速通信回線を展示した通信会社の姿もあった。プログラマーなどゲーム業界に進みたい学生を集める専門学校の中には、eスポーツのプレイヤー養成コースを設けたところもあった。

 だが、eスポーツだけでゲームショウが成り立つわけではないようだ。「ゲーム業界の裾野が広がり、一つの特徴だけでは来場者の満足は得られなくなった。いくつかある主要なコンテンツにeスポーツが新たに加わったということ」(山地事務局長)


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国際イベントニュース 編集長 東島淳一郎国際イベントニュース編集長 東島淳一郎 2009年全国賃貸住宅新聞社入社。劇団主宰者から銀行勤務を経て30歳で記者に転身。7年間の記者生活を不動産市場で過ごす。2016年9月、本紙創刊とともに現職。

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