スタジアムで過ごす正月休み【イベント人物図鑑】
- 2018/6/13
- イベント人物図鑑, ナノオプト・メディア
▲ナノオプト・メディア(東京都新宿区) マーケティング本部 成岡 将行部長
高校サッカーのファンを旦那に持った妻は浮かばれない。全国高校サッカー選手権大会は12月30日にはじまり、元日だけが休みで、1月8日に決勝戦が行われるからだ。家族水入らずの正月休みは無いに等しい。
毎年欠かさず一回戦からスタジアムに通う成岡将行の場合、台所から無言の抗議が届いていたのは何年か前までのことで、最近は行先に関心を持たれているかどうかも怪しい。
成岡自身の子供時代もサッカーグラウンドとともにあった。出身は静岡県掛川市。Jリーグができる前からサッカー選手を目指す子どもが当たり前にいるまちで、高校時代にはフォワードを務めた。
強い学校ではなかったが、部員の誰もが国立競技場を目指していた。試合会場には一回戦からたくさんの人が応援に訪れ、熱のこもった声援がグラウンドに飛び交った。観客によって支えられる環境は、どこにでもあるものだと思っていた。今、スタジアムに通うのは、当時声援を送ってくれた大人たちへの恩返し、という言い訳を妻に伝えたいと思わないではない。
もっぱら自分がボールを蹴ることはなくなった。今は1年前に覚えたゴルフの方が楽しくて仕方がないが、クラブを持って家を出る日は、まだ、なんとなく後ろめたい。