第41回 「中国国際輸入博覧会」が上海で開催 成功の秘訣はスピード感[今日の中国]

展示会名:第4回 中国国際輸入博覧会
会期:2021年11月5日(金)~10日(水)
会場:National Exhibition and Convention Center(NECC)
主催:China International Import Expo Bureau
出展者数:約3000社

▲会場の外観

 11月5日(金)~10日(水)に上海で「中国国際輸入博覧会」が開催されました。食品やヘルスケア、工業技術などさまざまなジャンルの出展者が集まる中国最大級の展示会で、総展示面積は東京ドーム7.7個分となる36万平方メートル。出展企業のリピート率は8割を超える人気の展示会です。私も出展者として参加したので、今回はこの展示会の様子を紹介します。

▲会場内の様子

 正直なところ、出展前はこの「中国国際輸入博覧会」にあまりいい印象を持っていませんでした。私が聞く限り、日本の参加者の中での評価は高くなく、ビジネスにつながらないという話を聞いていました。しかし、結果としては非常によく、私が出展したラックコーナーに足を運んでくれた来場者は約2400社、商談件数は約60件ありました。そのうち4社が成約し、卸売価格で約1900万円の取引を生み出すことが出来ました。来場していたバイヤーで個人の人はほとんどおらず、一定規模を誇る企業のバイヤーばかり。とても質の高い展示会だと感じました。

▲出展した自社ラックコーナー
▲ラックの横にある商談ブース

 今回私はジェトロ(日本貿易振興機構)の食品ブース内で参加したので、出展していた日本企業の様子もよく見ることができました。その中で気になったのが、日本の出展者の多くが会場の中で成約することに慣れていないことでした。この展示会に来ていたバイヤーの多くは決裁権を持つ人で、その場での成約を希望しています。一方で、出展している日本企業は実際に貿易したときのシミュレーションを資料として用意しておらず、具体的な話に踏み込めていなかったように思えます。私と成約したバイヤーから、別の日本の出展者との商談に仲介役として入ってもらえないかと依頼されることもありました。中国ではこうしたビジネスの場での対応スピードの遅れが致命傷になることを学ぶべきだと感じました。

 また、今回会場に来ていた日本人出展者から「いろいろな商品を紹介したいのに、話を聞いてくれるバイヤーが少ない」という意見を聞きました。これは日本人と中国人の意識の差で、中国では「何でもある」というのは、「特定のものの専門家ではない」と捉えられがちです。マルチに商品を扱う企業であっても、ある程度特化して仕掛けないと、中国では敬遠されることが多いのです。

▲ジェトロのパビリオン

新型コロナによる規制で厳しい事前受付も

▲PCR検査は長蛇の列
▲おかげで入場はスムーズ

 結果として大盛況だった「中国国際輸入博覧会」ですが、新型コロナによる規制の影響から非常に厳しい対応を求められ、開催直前までバタバタさせられたのも印象に残っています。前年も入場者には事前のPCR検査が義務付けられていましたが、2021年はさらに対策が強化されていました。会場へ入場するには、「健康カードが緑であること(直近14日以内に中リスク以上の地域を訪れていないこと)」「入場の14日前までにワクチンを2回接種していること」「入場48時間以内のPCR検査結果の陰性証明の提出」という3つの条件をクリアする必要があります。つまり、もし自分が住んでいる地域が中リスク以上の地域だった場合は、たとえPCR検査で陰性だったとしても、展示会に参加するどころか、上海に来ることができません。

 私は上海在住なので参加できないということはなかったのですが、「入場48時間以内のPCR検査結果の陰性証明の提出」というのが厄介でした。というのも、出展者は6日間の会期中はもちろん、前日の準備でも会場に入るため、合計3回もPCR検査を受けることになりました。また、当初は会場の中にスタッフや出展者用のPCR検査施設が設置されていたのですが、開催3日目からは「VIP専用」に変更され、出展者は外部の医療機関に受診しに行かなくてはなりませんでした。

 さらにドキドキさせられたのが、開催直前の10月31日の上海ディズニーランドの閉園騒動です。前日の30日に新型コロナ陽性が発覚した人がディズニーランドを訪れていたことから、急遽(きゅうきょ)スタッフと来園者の感染状況を調べるため、その場にいた全員にPCR検査を実施する事態に発展したのです。検査が終わるまで来園していた人は帰ることもできず、一時上海は騒然としていました。開催直前だったので、これによって展示会の開催も危ぶまれるのではないかとヒヤヒヤさせられました。

 また、日本から参加する人たちにはさらに困難な障害がありました。中国では海外からの入国者に対し、指定ホテルで14日間の完全隔離と、7日間の自宅待機が命じられます。そのため、この展示会に参加するためには合計21日間の隔離を強いられることになります。そのため、実際に会場に来ていた日本人は少なく、ほとんどがオンライン商談でした。しかし、オンライン商談はその場で対応できることに限界があるようで、なかなか成約できないと来場したバイヤーが話していました。

 開催までにさまざまな苦労があった展示会でしたが、実際に始まってしまえば、やはり要人と直接会って商談ができる展示会というものはかけがえのない場だと感じました。まだまだ新型コロナの影響は続きそうですが、皆様も是非次回の「中国国際輸入博覧会」に参加してみてください。

▲長崎県によるマグロの解体ショー
▲UNIQLOも出展
▲YAMAHAの自動演奏には常に人垣

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