たった1人のインサイドセールス専任者が月280件の商談を獲得【リード獲得100本連載】ベクトル(東京都港区)
- 2021/9/29
- DX(デジタルトランスフォーメーション), Sansan, オンライン営業
新規顧客獲得の支援サービス『アタレル』
ベクトル(東京都港区)
新規顧客獲得の支援サービス『アタレル』は、商談獲得を効率化するために開発されたサービスだ。ベクトル(東京都港区)が本業のPR事業などを通じて保有する約160万社の企業データベースをもとに、ウェブサイトにアクセスした来訪企業から見込み客を絞り、営業リストを自動で作成する。グループ企業の業務支援として始まり、2020年9月から外販を始めた。セールステック事業部の中根えりか部長に話を聞いた。
ー新規顧客獲得を支援する『アタレル』ですが、『アタレル』そのものの営業活動はどのように行っていますか
当然『アタレル』を活用しますが、同時に、自社主催のウェビナー、広告運用、外部企業が主催するオンラインイベントへの出展も行います。『アタレル』はもちろん有効ですが、ウェビナーやオンラインイベントで取れるリードの質は高く、どちらも重要だと感じています。現在の商談獲得件数は、月間280件程度。外販を始めた当初は、月間100件程度でした。
ーどのような営業体制ですか
内勤担当(インサイドセールス)1人、訪問部隊(フィールドセールス)4人、カスタマーサクセス1人、事業部長の私、という7人体制です。インサイドセールスはアポイント獲得、フィールドセールスは受注、と業務の目的を分けており、現時点ではこれがもっとも良い体制だと感じています。そのため、商談設定までを担当するのはインサイドセールスの1人だけです。担当が自ら架電することはなく、パートナー企業をとりまとめる責任者として動いているので、1人で運営できています。
―共催ウェビナーを積極的に開催している意図は何ですか
自社だけでウェビナーを続けていると、内容が似かよってしまうため、過去の参加者に再度参加を呼び掛けても反応が悪くなります。共催すれば、相手企業が所有するリストに呼びかけることができます。我が社のハウスリストが少ないうちは、相手企業に組むメリットを提供できず企画を持ち込めませんでしたが、今は2000社のリストを持つので、共催を呼びかけられるようになりました。
3日間のオンラインイベントで、51件の商談を獲得
会期中の声かけが重要 会期後のアプローチでは遅い
―オンラインイベントはどんな使い方をしていますか
Sansanが主催する「ビジネスIT & SaaS EXPO」(BIS 2021)に出展し、3日でリード(名刺交換)131件、商談51件、受注1件につながりました。リアルイベントと同じような感覚で活用し、成果を出すことができました。
―出展のきっかけは何ですか
オンラインイベントの出展を検討し始めたタイミングで、Sansanから我々の問い合わせフォームに営業を受けました。新規顧客開拓をテーマにしたイベントで、来場者層、登壇企業の属性も我が社に近いことから、相性が良さそうだと思いました。また、イベントの仕組みとして、参加者がビジネス名刺アプリの『Eight(エイト)』利用者に限られていたため、オンラインでの名刺交換に抵抗感がない人が多いと考え、出展料を回収できると判断しました。
―イベント当日はどのような運営体制ですか
インサイド、フィールドそれぞれ役割を分担し、5人で会期中に商談を獲得できるような体制で臨みました。初日はインサイド担当がイベント開始前から来場者にメッセージをたくさん送り、積極的にコミュニケーションを取りました。リアルイベントにおいて、営業総出で人を呼び込むイメージです。興味がありそうな人に出会えたら、フィールド担当にすぐにつなぎました。この体制が会期中の商談・受注につながったと思います。
来場者の会社名、部署名に加え、オンライン状況がわかるので、我が社のターゲットになりうるか確認しながらメッセージを送ることができました。会期終了後に、主催者から納品されるリード情報を元に営業を始めているようでは遅く、会期中にアクティブに動くのが重要だと感じています。
―今後の課題について教えてください
我が社から顧客情報を取りに行く、アウトバウンドについては最適解を得たと思っています。今後は問い合わせ(インバウンド)に対応する体制づくりをします。
リード獲得活動をしなくても、セミナー参加者などからの問い合わせが増えています。想定よりも新型コロナウイルスの影響が長引き、営業活動に困る企業が多く、営業担当者がセミナーや勉強会に参加していることがわかりました。オンラインでのリード獲得や、フォームへの営業が、ウィズコロナ時代の営業方法として認知されてきたのではないでしょうか。
他社との共催セミナーは増やしたいです。週1回ペースが理想です。さまざまな企業から打診を受けており、こちらからも声かけをしています。
導入企業からの紹介や、口コミでの問い合わせが増えています。サービスの認知が広がってきたので、積極的に情報発信を行い、インバウンドの引き合いを増やしていきます。「インサイドセールスの立ち上げはベクトルに相談」という認知を与えられるようなブランディングを行えればと思っています。