10月中旬からバンコクなどで一般観光客の受け入れ再開へ @タイ・バンコク【9月20日/新型コロナウイルス世界の反応・現地レポ】

▲バンコク郡に隣接するサムットプラカーン県に設置されたワクチン接種会場の様子

ワクチン接種率約20% 接種の遅れに不満高まる

 タイでは新型コロナウイルスのワクチン接種が進まず、国民の不満が高まっている。バンコクでは今年5月24日に市内25カ所で大規模接種会場を運用しはじまり、18~59歳の市内在住のタイ人を対象に1日500人に接種する計画だったが、ワクチン不足から8月にはいくつかの接種会場が一時閉鎖された。接種率も近隣国より低く、マレーシアは55.82%、カンボジアは59.69%のところ、タイは20.42%にとどまっている。ラオスでは25.21%、ミャンマーは5.91%、ベトナムは6.47%と近隣国の中にはタイよりワクチン接種が遅れている国もあるものの、タイ国内では接種を希望する声が強いことから、政府への不満が強まっている状態だ。

 ワクチン接種は政府施設や病院などの大規模会場にて行われているが、希望者が殺到していることから会場数が足りず、一般企業で行われるケースも増えてきた。バンコクではタイ国鉄が数年前から中央駅移転のために建設していたバンスー駅を大規模接種会場として提供しているほか、サムットプラカーン県では数年前から観光スポットとして建設され新型コロナの影響で開業が延期されていた展望台施設が会場となった。

 また、教育機関が独自にワクチンを確保し、学生や一般市民に抽選でワクチンを提供するケースもある。バンコク市内の私立校では15歳以上の学生に学校が確保したワクチンの接種を募集したが、若年層への接種による副作用を恐れて多くの保護者が接種を拒んだという報道もあった。

 9月19日のタイ国内の新規感染者数は1万3563人、死者117人。累計感染者数は147万6477人、累計死者数1万5363人、死亡率は1.04%となっている。日本ではタイからの入国者に対する3日間の隔離措置を撤廃することが発表され、タイ政府も当初予定より2週間遅れとなる10月中旬からバンコクなど一部地域への一般観光客の受け入れ再開を発表しているが、タイ国内でのワクチン接種の遅れを懸念する声も強く、今後の政府の方針に注目が集まっている。

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