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- リアル展示会をパノラマ撮影してリアル感を演出 @下水道展【オンライン展示会】
会期:2021年8月17日(火) 10:30~ 次回開催前日まで(予定)
主催:(公社)日本下水道協会(東京都千代田区)
出展者数:282社(うちオンラインのみ出展は17社)
下水道関連の展示会「下水道展」が、リアルとオンラインのハイブリッドで開催された。オンライン展はリアル展の会場をパノラマ撮影しており、実際に会場にいるかのような雰囲気が味わえる。リアル展の会期である8月17〜20日には、オンライン展のアクセスが97万PVに達したと発表された。次回の開催前日までオンライン展の開催が決まっており、来年の8月まで継続する見込みだ。8月後半にオンライン展に参加した記者が、操作感、出展者ブースなどをレポートする。
【この記事の内容】
1.インターフェースについて
リアル会場をパノラマ撮影し、進みたい方向に操作できる
2.企業ブースについて
リアル会場の写真でリアル感はあるが、商談や問い合わせは機能せず
3.セミナーについて
リアル展示会で開催した、セミナーやプレゼンの一部を配信
4.まとめ
展示内容の確認や商談ができる仕様へ、変更を期待したい
1.インターフェースについて
リアル会場をパノラマ撮影し、進みたい方向に操作できる
事前に登録不要で参加できる。トップページには、リアル会場であるインテックス大阪の見取り図が表示された。画面下にある紫色のバナー『下水道展オンラインはこちら』を押すと、インテックス大阪の外観が現れた。
画面の中央にある白い矢印をクリックすると、前方向へ進むことができ、2号館の入口が表示された。Googleマップのストリートビューで移動しているような感覚だ。
入口から会場に入ると、会場内の様子が画像で表示された。人の姿は少ないが、会期中に撮影した様子が伺える。来場者と会話する出展者や休憩する来場者の姿が見られ、実際に会場を歩いている気分だ。画面上ですれちがった来場者を、別の場所で見かけるという不思議な体験もした。
画面からは細かな文字は見えないが、ブースの看板のような大きな文字は確認できるので、今年の傾向をある程度は把握できそうだ。一方で、時間外に撮影されたブースは、展示物に布が被せられ、モニターの電源が落ちている状態だった。
2.企業ブースについて
リアル会場の写真でリアル感はあるが、商談や問い合わせは機能せず
企業ブースはバーチャルではなく、リアル会場のブース画像で表現されていた。画面の上部には、機能ボタンがいくつか設置されているが、この時点では出展者名を確認できない。
『出展紹介』を押すと、社名や事業概要、連絡先といった、会社情報が表示された。『お問い合わせ』は出展者ではなく、同展示会の事務局に向けたフォームになっていた。画面上部の検索機能を操作すると、会場の外観に戻ってしまった。
『商談機能』を押すと、担当者名が表示されて、名刺交換やコールバックを依頼できる。しかし、名刺を交換しても保存する機能がないので、画面キャプチャなどで自分で記録する必要がある。赤い丸を押すと、展示資料の閲覧や動画視聴ができるが、画面が小さいため何が表示されているのかは分からない。
画面の右下にある、位置情報を思わせる赤いマークを押すと、会場マップが現れた。青いポインタにカーソルを合わせると、会社名が表示された。少ししか拡大できないので、細部まで確認できなかった。画面左下には、建物ごとのマップを常に表示できるが、小さすぎて実用性はなかった。
3.セミナーについて
リアル展示会で開催した、セミナーやプレゼンの一部を配信
リアル展示会の会期中に開催されたセミナーや、出展者によるプレゼンテーションの一部が視聴できる。会場で撮影された映像を使用しているため、スライドが少し見づらいが、全般的に音声はクリアだった。登壇者は透明な壁のブースやパーテーション越しに登場し、会場内の感染症対策が適切に行われていると感じた。
4.まとめ
展示内容の確認や商談ができる仕様へ、変更を期待したい
会場に足を運べなくても、パノラマ画像により会場にいるかのような体験ができる仕様は面白い。一方で、出展者からは、開催初日から問い合わせが1件もなかったという反応が出た。操作性を楽しむことはできても、展示の内容を確認したり、商談や問い合わせへ誘導することが不十分だと本末転倒だ。オンライン展示会は会期が長いので、開催期間に改善されることを期待したい。