ワクチン接種者は、濃厚接触でも自己隔離が不要に @イギリス・ロンドン【8月18日/新型コロナウイルス 世界の反応・現地レポ】
- 2021/8/21
- イギリス, 新型コロナウイルス世界の反応, 新型コロナウイルス関連記事
イギリス政府は8月16日から、新型コロナウイルス影響下における、自己隔離の規則を変更した。イングランドは、18歳以下または2回のワクチン接種を完了した人で、症状がない場合は、陽性者に濃厚接触しても自己隔離が免除される。症状がある場合や、2回目のワクチン接種から14日以内の場合は、自己隔離の対象となる。PCR検査は、症状がある場合は受検する義務がある。
ウェールズは7日から、イングランドと同様の措置を取っている。加えて、陽性者に濃厚接触した場合は、病院や高齢者施設などに10日間は訪問できない。ワクチンの接種状況に関わらず、濃厚接触した日から2日目と8日目に、PCR検査を実施する。医療や福祉などのエッセンシャルワーカーは、自宅で30分で検査ができるラテラルフロー方式で、毎日検査を行う。スコットランドは、症状がない子どもやワクチンを2回接種した人は、PCR検査が陰性であれば、自己隔離は不要だ。
新型コロナワクチンの接種を推進するため、2回の接種を完了した人に特典を与える取り組みが広がる。特に若年層の接種率を向上させたい狙いだ。サセックス大学は、抽選で10人に5000ポンド(約76万円)を付与する。スーパーマーケットのAsda(アスダ)は、18~30歳を対象に、服飾ブランドの割引券を配布する。旅行サイトのLastminute(ラストミニット)は、海外旅行の割引券を提供する。タクシー配車アプリのFREE NOW(フリー・ナウ)は9月まで、ワクチン会場まで無料で送迎する。他にも、ジムやテイクアウトなど多様な企業が、割引や特典を提供する予定だ。
新型コロナやEU離脱の影響で、国内の多くの企業では人手不足が深刻化しており、賃金インフレ率が上昇している。新たに雇用される人の賃金が、過去24年間で最高水準となった。雇用が不安定な状況が続くため、転職に踏み切れない人が多く、求職者数が大幅に減少した。ファーロウ・スキーム(給与補償制度)が9月まで提供されていることも追い風となり、国内では売り手市場が続く。
サッカーやクリケットの試合は、人数を制限せずに入場できるようになり、『ワクチンパスポート』の導入が進む。サッカーチームのチェルシーやエバトンは、入場時にワクチン接種や陰性証明書の提示を求める方針だ。クリケットは3万人が観戦したが、提示は不要だった。野外フェスは、陰性の証明書やワクチンパスポートの提示が必要となる。