陽性者に接触した62万人が、隔離で出勤停止に @イギリス・ロンドン【7月28日/新型コロナウイルス 世界の反応・現地レポ】
- 2021/8/1
- イギリス, 新型コロナウイルス世界の反応, 新型コロナウイルス関連記事
新型コロナウイルスの感染拡大が続くイギリスでは、陽性者に接触したとして、62万人が自己隔離を要請される事態となった。該当する人は、10日間の出勤停止となるため、公共交通機関が閉鎖されたり、物流の遅れでスーパーマーケットに商品を陳列できなかったりと、深刻な状況に陥った。
隔離が必要かの判断は、NHS(国民保険サービス)が提供するアプリで行う。飲食店や博物館など、外出先でQRコードを読み込むと、陽性者と接触した可能性がある場合は警告メッセージが届く。アプリの使用は義務ではないが、通知が来ると隔離が必要になる。外出していないといった、心当たりのない人にも通知が届く事例が後を絶たず、アプリを削除する人が続出した。国内では、通知音のピン(Ping)と、パンデミック(Pandemic)からなる造語の『ピンデミック(Pingdemic)』であると問題になっている。
『ピンデミック』が混乱を極めていることから、政府は職種を限定した条件付きで、10日間の隔離を免除するという対策を発表した。エネルギー、IT、食品の製造や流通、ごみ処理、水道、医療、交通機関、緊急車両などの職種が対象となる。ワクチンの2回接種を完了し、接種後に14日経っていること、毎日検査を受けて陰性であることが条件だ。8月16日からは、ワクチンを2回接種している人は、検査と隔離が不要になる見込みだ。
ロックダウンの解除と同時に、ナイトクラブがにぎわったことを受け、9月からは入店時にワクチンパスポートの提示を求める方針だ。抗議デモが各地で起きているが、政府はレストランやパブといった飲食店にも、導入を検討していることを発表した。ワクチンパスポートの施行による経済回復の遅れや、隔離免除の対象外で人材不足が懸念されるなど、飲食業界には向かい風が吹いている。
理工系の世界的名門大学インペリアル・カレッジ(ロンドン)が、新型コロナのワクチンがデルタ変異株を予防する確率を調査した。アストラゼネカ製のワクチンは55%、ファイザー製とモデルナ製は85%の効果を確認したと発表した。
ワクチン接種をめぐり、NHS職員に対する脅迫が増えた。1回目と2回目の接種には4週間以上の間隔が必要だが、海外旅行のため短期間での接種を求めているようだ。接種会場では、警察や警備員を配置をして対応している。
ヨーロッパに初進出した讃岐うどんの丸亀製麺(東京都渋谷区)が、ロンドンの中心地に1号店を開いた。26日の開店時には、100人以上が並び90分待ちとなった。かけうどんを3.95ポンド(約600円)で提供し、ロンドンの飲食店では破格の価格であると注目が集まった。2026年までに、ヨーロッパで100店舗に拡大することを目指す。