プーケットで外国人観光客の隔離なし受け入れが再開 @タイ・バンコク【7月5日/新型コロナウイルス世界の反応・現地レポ】

▲プーケットの玄関口となるのが、プーケット国際空港だ

国内感染者は急増 不安感漂うスタート

 タイ政府は7月1日、南部にあるリゾート地として知られるプーケット県へ隔離措置なく外国人を受け入れるプログラムを開始した。プログラム名は「プーケット・サンドボックス」で、通常14日間の強制隔離が義務付けられるところ、一定の条件を満たしていれば隔離期間なく入国ができるというものだ。対象となるのはアメリカや中国、韓国など67の国と地域で、プーケット到着の14日以上前にワクチンを接種していることや渡航72時間以内にPCR検査を実施し陰性であること、新型コロナウイルスの治療に対し10万ドル(約1100万円)以上が保障される保険に加入していることなどが条件となる。また、入国して14日間問題がなければ、プーケット県以外へも移動が可能となる。ただし、日本は商用目的の場合のみとなり、観光目的の場合は対象とならない。

 1日は249人の外国人観光客が入国した。タイ政府は新型コロナによって大幅に減少した観光収入を同プログラムを通じて増加させたい狙いがあり、15日からは南部にあるサムイ島やバンガン島、タオ島、9月1日からはクラビ県やパンガー県、チェンマイ県のほかリゾート地として知られるパタヤを含むチェンブリ県、サッカーなどのスポーツで知られるブリラム県でも隔離期間なしでの外国人観光客の受け入れを再開する方針だ。タイ観光庁は同プログラムによって第3四半期中にプーケットを訪れる外国人旅行者は10万人に達すると見込んでいるといい、観光収入は89億バーツ(約300億円)に達すると予想されている。

 一方で、国内からは不安の声も大きい。タイ保健省によれば7月1日の国内新規感染者数は5521人で、死者は57人となった。4日は国内感染者数が5916人、死者44人となっており、6月には3000人台だった感染者数が急増していることから、外国人観光客の受け入れ再開を疑問視する声も強い。

 国内でのワクチン接種にも遅れが見える。現在タイでは中国のシノバック・バイオテック製とシノファーム製、イギリスのアストラゼネカ製ワクチンを確保しているが、人口7000万人に対し接種回数は1000万回程度にとどまっている。

 しかし、新型コロナによる経済打撃は深刻さを増すばかりだ。観光産業の落ち込みだけでなく、在タイ日本企業への打撃も顕著となっている。バンコク日本人商工会議所が会員企業に実施した2021年度上期景気動向調査によると、回答した565社のうち、新型コロナによる影響で5~20%の売上減が40%、20~50%の売上減が17%、影響はないとした企業は12%、現時点で分からないは11%だという。

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