メッセ・デュッセルドルフが世界戦略を一層拡大

▲6月7日に来日し日本企業向けの説明会を行うメッセ・デュセルドルフグループ金属産業統括部長のフリードリヒ・ケラー氏

産業分野別の組織改変から2年

 ドイツを中心に展示会主催事業を世界展開するメッセ・デュッセルドルフグループは、2015年、全社的に組織を改変した。これにより、国や地域ごとに別れていた部門が、展示会の産業分野ごとにまとめられ、全世界を統括する仕組みに変わった。6月7日、国内金属産業の関係者に向けた事業説明会のために来日した金属産業統括部長のフリードリヒ・ケーラー氏に、世界展開について聞いた。

―金属産業分野に属する展示会はどれくらいあるのか。

 世界全体で20以上の展示会を開催する。中心は電線の「WIRE」と、鋼管の「TUBE」だ。最終製品だけでなく、製品加工のための機械や販売を支えるサービスや商品も出展する。デュッセルドルフでは2年に一度、ドバイ、上海、ムンバイ、モスクワ、バンコク、サンパウロなどでも開催する。この他に、バルブ関連の「VALVE」、ポンプ関連の「PUMP」も世界展開する。冶金の「METEC」、鋳造の「GIFA」、精密鋳造製品の「NEWCAST」、熱処理加工の「THERMPROCESS」などがある。

―出展社は国内・海外どちらが多いか。

 ドイツでは国内と海外の比率はほぼ半分ずつだ。海外では国によって異なる。ムンバイやモスクワでは海外の出展社の方が多い。中国は金属産業の強みを反映して、国内企業の方が多い。来場者は、ドイツではやはり半分ずつだが、海外の場合、8割以上がそれぞれの国の人たちだ。

―2年前の組織改変はなぜ行ったのか。

 金属産業の市場が世界一体となったからだ。我々の顧客である市場の主要企業が国や地域に縛られず、全世界で仕事をするようになった。

―デュッセルドルフと海外のイベントは規模は異なるのか。

 圧倒的に異なる。まだデュッセルドルフで開催している規模に並ぶものはない。だが、伸びているのは中国だ。中国は金属の市場が大きいだけに、展示会も早いペースで拡大している。

―世界展開にあたり、進出先はどのように決まるのか。

 一にも二にも出展社の存在だ。その地域での開催を望む出展社がいれば、我々は展示会を開催する。日本で開催を望む出展社が現れれば、日本で開催する。


国際イベントニュース 編集長 東島淳一郎

国際イベントニュース編集長 東島淳一郎

2009年全国賃貸住宅新聞社入社。劇団主宰者から銀行勤務を経て30歳で記者に転身。7年間の記者生活を不動産市場で過ごす。2016年9月、本紙創刊とともに現職。

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