追い込まれるイベント施工会社 緊急事態宣言でキャンセル相次ぐ

▲新型コロナウイルスの感染拡大により昨年から多くの展示会・イベントが中止や延期となっている

 新型コロナウイルス、第3波の感染拡大により、展示会が再び相次いで中止・延期となる中、展示会運営を支える施工会社が深刻な打撃を受けている。中止の場合、主催者が用意する展示会の基礎工事がキャンセルとなり、開催される展示会においても、出展を自粛する出展企業が増え、ブース設営の受注が減っている。

 追い打ちをかけたのが、11都道府県で発令された緊急事態宣言だ。「売上が8割減となった」と話すのはアドヴァンス企画(東京都中央区)の小室弘之社長だ。大手企業が予定していたプライベートショーでは、施工当日にキャンセルとなったものもあり、損失額は1億円に上る。「クライアントの事情も分かるが、既に手配していたものが多く、支払ってもらわなければならない。請求金額について妥協点を探っている」(小室社長)

 東京企画装飾(東京都豊島区)では、中止の場合は実費を請求し、延期の場合はキャンセル料は取らず、施工時期を延ばしている。キャンセルを受けたのは3~4割だ。「小規模事業者にとっては、非常に厳しい状況。職人が業界を離れたら、終息しても今まで通りの再開は難しい」(東風美佐代表)

「補助金は主催者しか見ていない」

 中止となった展示会関係者を支援するはずの補助金制度に対しても、不信感が高まっている。施工会社の顧客は主催者だけでなく出展企業も多い。だが、出展企業から受注した業務が止まった場合の支援が明確になっていないからだ。

 「中止となった展示会に対する補助金制度は主催者しか見ていない」と話すのはビヨンド(東京都渋谷区)の吉澤史郎代表だ。「『補助金が出るなら展示会を中止する』という主催者が連鎖的に増えそうで恐ろしい。施工会社も展示会産業を支える一員だが、我々は自助努力でどうにかしろということか」(吉澤代表)

 既存事業に行き詰まりを感じ、昨年8月、出展者向けのオンラインシステムの提案を始めた。10月頃から相談が増え、今までで大手を含む7社から受注した。だが、これまでの事業とは作業内容が異なることから、サービスの構築には時間とコストを要する。こうしたことに対する国の支援は薄い。新サイトリニューアルのために申請した小規模事業者持続化給付金は採用されなかったという。

 新型コロナが収束するまで、イベント業界の完全な復活は見込みにくい。業界各社が売り上げを大きく落とす中、経営の継続が困難な企業も少なからず出てきている。「飲食店だけを支援して、業界を支えてきた納入企業に対する支援がないのと全く同じ構造」今回、取材した3人の経営者は口をそろえてそう話した。

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