「ロックダウンは一定の効果あり」と保健相が報告 @マレーシア・クアラルンプール【1月5日/新型コロナウイルス 世界の反応・現地レポ】

▲医療施設のようなスクリーニングが実施される観光地の娯楽施設

 保健相は12月28日、新型コロナウイルスに関する経過報告を行い、ロックダウンに一定の効果があったと発表した。2020年2月に国内初の感染者が確認されて以来、累計約10万人となり、ロックダウンおよびソフトロックダウン(活動制限令=MCO)を行わなかった場合は、400万人が感染した可能性があったという。初期には宗教集会や、陽性者の無自覚さがクラスター発生の要因であったが、現在は建設現場や工場など、職場での感染拡大が増加している。国内の感染者の90%は、無症状または軽症であると分析した。

 クラスターの発生を予防するため、外国人労働者が入国する際には、新型コロナウイルスのPCR検査が義務化された。雇用パスを持つ駐在員などは除外される。クラスターの発生時には、政府からの指示で従業員がPCR検査を受ける場合があるが、検査費用は雇用主の負担となることが決まった。金額は250リンギット(6250円)で、違反すると1000リンギット(2万5000円)の罰金または6カ月以内の禁固刑となる。

 新規感染者が多いクアラルンプールとセランゴール州は、1月14日までソフトロックダウンが継続となった。12月から1月にかけて、帰省や旅行などで州をまたいで移動した人が多いことから、新たなクラスターも懸念される。そのため、国防大臣は1月1日、ロックダウンやソフトロックダウンの地域以外に、「回復のための活動制限令(RMCO=Recovery Movement Control Order)」を発令することを決定した。

 年末年始の観光地は、州間移動が許可され長期間の休みとなったため、国内各地からの観光客でにぎわった。紅茶の産地として知られるパハン州キャメロン・ハイランドは、国境閉鎖で自国へ帰省できない在住外国人の姿も多く見られた。通常はのどかな高原リゾートだが、現在は医療施設のような検査が必要とされ、厳しい入園措置が取られている。園内は密を避けるために一方通行のところが多く、効率が悪い印象であったが、娯楽の再開に伴って厳しい衛生規則が設けられるなど、対策が進んでいる。

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