酒類の販売禁止が延長 SNSにあふれる市民の悲鳴 @タイ・バンコク【4月20日/新型コロナウイルス 世界の反応・現地レポ】
- 2020/4/22
- タイ, 新型コロナウイルス世界の反応, 新型コロナウイルス関連記事
新型コロナウイルスの対策で、東南アジア各国と日本で大きく違う点は、法的な拘束力で、違反者に罰金や禁固刑を科すかどうかだ。
政情不安が続くタイでは、夜間外出禁止などの措置がこの10年で数回出されてきた。取り締まりが厳しいため、多くの市民は時間になると自宅にこもる。解除時期は未定だ。
新たな施策として酒類販売の禁止令が、4月10~20日までタイ全土(1都76県)に出された。9日には多くの市民が販売店に殺到し、10日間分の酒類を購入した。禁酒令ではないため、自宅で飲酒するには問題ない。
タイでは、4月13~15日が旧正月にあたり、例年であればその前後に有給休暇を取り、長期の休暇を取る市民が多い。酒類販売禁止の措置はこの動きを見越して実施されたと考えられる。旧正月はタイ人にとって最も重要な祝日にあたり、交通事故死者数の大半がこの3日間に集中すると言われるほど、飲酒運転が多い。今年はウイルスの感染拡大を防ぐため、近代で初めて旧正月が取りやめになった。
だが、最終日となる4月20日の午前中、バンコク都庁が30日まで延長することを発表した。アルコールを好む市民を中心に、SNSでは悲鳴にも近い投稿が相次いでいる。
タイ公共保健省による19日の発表では、新規感染者数が32人、感染者総数2765人、死亡者数がゼロだった。数日前から新規感染者が100人未満になり、ピークアウトへの期待が膨らんでいる。