「花園」有するラグビーの聖地【全国DMO巡り Vol.13】(一社)東大阪ツーリズム振興機構

▲ラグビーの聖地、花園ラグビー場は、ラグビーワールドカップの開催地の1つ

 東大阪市は工場の集積率で日本一のモノづくりの町だ。ラグビーの聖地、花園ラグビー場も有名で、石切劔箭神社、枚岡神社、瓢箪山稲荷神社など多くの伝統建築も残る。東大阪ツーリズム振興機構(大阪府東大阪市)は着地型観光を推進する組織として、市と商工会議所が中心になり設立した。

▲河内国一之宮として知られる枚岡神社で、毎年10月に行われる秋郷祭は、大阪を代表する秋祭りの1つ

 課題は、東大阪市に観光客を呼び込む仕掛けだ。市内にはスポーツやグルメ、歴史、文化、産業と、さまざまな資源があり、アクセスにも恵まれる。2019年のラグビーワールドカップ、2020年の東京オリンピック・パラリンピック、2021年に関西で開催される30歳以上を対象とする生涯スポーツの国際総合競技大会「ワールドマスターズゲームズ」と続くスポーツの国際大会ラッシュをきっかけに、東大阪市にインバウンドの波を引き込みたいのだが、集客の目玉に欠ける。

 花園ラグビー場は、ラグビーワールドカップの開催地の1つだ。2019年になればおのずと世界各地から観光客が集まる。だが、問題はその先だ。

「一過性」脱却して地域に根付く観光目指す

▲ 「ひがしおおさか体感まち博 2018 プレ」 は、市民が案内人となって多くの観光客と触れ合うイベントになった。事前セミナーの様子

 「ひがしおおさか体感まち博 2018 プレ」は10月13日に東大阪市で始まった観光イベントだ。市内全域を「博覧会」の会場に見立て、体験型の観光プログラムを楽しむことができる。11月25日まで44日間にわたり、老舗串かつ店での串揚げ体験やネジ倉庫の見学ツアー、地元ラグビーチームによる講習会など71のプログラムが用意されている。イベントはワールドカップ後の解決策になりえるか。

今伝えたいこと

清水 洋一郎代表理事

 東大阪を訪日インバウンドの成功都市にすることが私の使命と考えている。東大阪市はスポーツ(ラグビー)、モノづくり、文化下町が観光戦略の柱となる。我々が地域のかじ取り役として、事業者をサポート・マッチングし、地域の魅力をわかりやすく発信していくことで、DMOとしての存在価値を高めていかなければならない。

 「花園」を通り過ぎるだけでなく、ラグビー以外の思い出も持ち帰ってもらえるような魅力と受け入れ態勢を、地域と一体となって形作っている真っ最中だ。


法人名:(一社)東大阪ツーリズム振興機構
設立年:2016年10月
所在地:大阪府東大阪市荒本北1-4-1 クリエイション・コア東大阪南館

参加県・企業:東大阪市、東大阪商工会議所
年間延べ宿泊者数:国内 40万8249人/海外 11万659人(2016年)
※観光庁『宿泊旅行統計調査』より大阪府が推計。東大阪市・守口市・枚方市・寝屋川市・大東市・門真市・四條畷市・交野市・八尾市・柏原市の累計値

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